乗車人員は開業時から3倍の12万人に 開業25周年を迎えた埼玉高速鉄道 経済波及効果などデータを公表 県内路線全7駅の駅勢圏1キロ人口が約1・4倍に増
開業25周年を迎えた埼玉高速鉄道(SR、さいたま市緑区)は沿線地域における経済波及効果などの客観データを公表した。運輸総合研究所と計量計画研究所が調査・分析した。
■1日12万人が利用
SRは2001年3月28日、鉄道空白地帯だった川口市鳩ケ谷地区、戸塚地区およびさいたま市緑区を縦断し、都心直結の利便性とサッカーの日韓ワールドカップ(02年)の埼玉スタジアム会場の輸送拠点として開業。23年には東急・相鉄線との直通運転が始まり、開業当時は1日当たり約4万人だった乗車人員が3倍の約12万人に増加した。
都内への所要時間も戸塚安行―東京間が最大48分短縮(乗車時間48分)されるなど通勤、通学の利便性が飛躍的に向上。県内路線全7駅の駅勢圏1キロ人口が約1・4倍(5・8万人)増え、さいたま市と川口市の税収は計1240億円(住民税560億円、固定資産税・都市計画税680億円)増えたと推計した。
■緊急時の代替交通に
乳幼児(0~6歳)の子育て世帯は約1・3倍(約2千世帯)増加。沿線地域には川口市立戸塚南小(05年)、さいたま市立美園小(12年)など小中学校4校が新設された。
沿線住宅地(駅1キロ圏内)の地価は約1・2倍に上昇したものの、都心から20~25キロ圏の浦和美園駅(さいたま市緑区)周辺は、1平方メートル当たり23・8万円とJR浦和駅(同浦和区)の48・7万円、千葉県流山市のつくばエクスプレス流山おおたかの森駅の32・8万円と比べて安価に抑えられ、今後も人口増が見込まれる。
この間、重大事故は発生せず、3年連続で99・6%の定時運行率を維持。11年の東日本大震災では当日午後9時20分に全線運転を再開するなど交通リダンダンシー(代替性)としての貢献度も大きい。
■延伸効果7700億円
地下鉄7号線の終点に当たる浦和美園駅から東武アーバンパークライン岩槻駅(さいたま市岩槻区)付近まで約7・2キロの延伸が実現すれば、運行頻度は朝夕混雑時間帯で1時間当たり8本(うち2本が快速列車)が見込まれ、輸送能力は1日当たり10万700人に拡大。経済波及効果は開業時点で約2千億円、15年後には約7700億円と推計した。概算事業費は1440億円(25年4月価格)で、国、地方公共団体、鉄道施設整備主体がそれぞれ3分の1ずつ負担する。地方公共団体分の65%をさいたま市、35%を県が負担する。計画素案では来年4月に整備事業を開始し、29年度中に都市計画を決定。30年度以降に着工し、41年4月の開業を目指す。
昨年11月にSRが行った利用者アンケートでは72・4%が「満足」「やや満足」と回答。平野邦彦社長は「今後も安全、安定、安心、快適な輸送サービスを追求し、地域社会と連携した発展に努めたい」と話している。









