タイのチキンライス「カオマンガイ」 カフェのオーナーが通ったタイ・タウンの思い出の味 新しいまちづくりが続く埼玉・川越、駅東口と印象違う西口近くのカフェパトリシア
川越駅西口周辺(埼玉県川越市)
複数ある川越市内の駅でJR川越線と東武東上線が乗り入れる川越駅。蔵造りの町並みなど同市中心部への玄関口となる東口に対して、西口は区画整理された街に中高層のビルが立ち、2年前にできた地上25階建てタワーマンションに目を見張る。以前とは違う、まるで新天地の印象だ。
同駅西口から始まるペデストリアンデッキは複合施設「U-PLACE」まで続き、人々が行き交う。開業5周年の同施設には公共施設や商業施設、医療機関のほか、上階7~11階にはホテルが入居。デッキの下は車や路線バスが通り、周囲に林立するビル内には数々のオフィスや店舗がある。道路には見慣れぬバス停が立ち並び「会員専用乗降所・川越送迎バス協議会」と表示している。
その先にある複合施設「ウェスタ川越」は、県と市が活用する公共施設棟とショッピングモールからなる。前面には交流広場もあり、まるで一つの街のようだ。広場ではマルシェがよく開かれ、大ホールはコンサートなどでにぎわう。こちらは今年10周年を迎えた。
同市によると、U-PLACEとウェスタ川越はいずれも公有地に官民連携で実現した施設。見慣れぬバス停は、同所が企業や学校の送迎バスで混雑していたため、市が乗降場を設け、乗り入れ事業者約50社で「川越送迎バス協議会」を組織し、管理・運用している。現在、1日約600便が行き来しているという。
ウェスタ川越から北へ歩き、脇田本町交差点を目指すと大通りから外れ、病院や飲食店、集合住宅などがあり、落ち着いた雰囲気だ。五差路の同交差点から、踏切か歩道橋を渡れば東口方面に行くことができる。
交差点からほど近い「カフェパトリシア」は、洗練された温かみのある店。タイのチキンライス「カオマンガイ」とレモンコーヒーを味わう。カオマンガイは、オーナーの高綱かやさんが米ハリウッドで暮らした学生時代に通ったタイ・タウンの思い出の料理。レモンシロップはコーヒーの酸味とよく合う。
地元出身の高綱さんが、以前から力を入れているのが川越コーヒーフェスティバル。コーヒーショップを全国から集め、2017年から同市連雀町の「蓮馨寺(れんけいじ)」境内で開催している。コロナ禍でイベントの継続が危ぶまれたころ、フェスのように皆が集まれる場をつくりたいと店を始めたという。
城下町として栄えて以来、時代ごとに歴史を紡いできた同市。鉄道駅は、西武・本川越駅を筆頭に、東武・川越市駅、川越駅の順に開業した。新しいまちづくりは今も続いている。
【メモ】カフェパトリシア=川越市脇田本町29の1の101。電話080・6965・2538。詳しくはインスタグラム参照(@cafepatricia_)。フェスは、12月6、7日午前10時~午後4時半。「オリジナル・ラブ」の田島貴男らを迎える。要入場料。










