埼玉りそな銀行埼玉文学賞、日高さんら3人正賞 昨年より98点増の894点が寄せられる 授賞式は17日
2025/11/12/12:43
埼玉新聞社が制定し、埼玉りそな銀行が特別協賛する「彩の国 埼玉りそな銀行 第56回埼玉文学賞」の受賞者が決まった。正賞には、小説部門で坂戸市の日高博さん(66)の「天晴(あっぱれ)ウォッチ」、詩部門には東松山市の野沢舞花さん(23)の「光の痕」、俳句部門で川口市の浅野都さん(82)=筆名=の「朝(あした)になれば」が選ばれた。短歌部門は正賞の該当作がなく、準賞を2人選んだ。
「天晴ウォッチ」は、60歳以上の国民が、腕時計型の管理システム装着を義務付けられた近未来の日本が舞台。疑問を抱いた主人公は、旅行先の秩父で政府のもくろみを知り、抵抗する。物語性あふれる冒険小説だ。「光の痕」は、「傷」をテーマにした作品。改行部分を「/」で区切る独特の形式で書かれている。「朝になれば」は発想のユニークさ、質の高い句がそろっていることが評価された。
短歌部門の準賞には、横浜市の小野愛加さん(21)の「君がさいたま」と、上尾市の築根喜美江さん(92)の「戦(いくさ)のなかを」が選ばれた。そのほか各部門で佳作を選出した。
正賞の賞金は小説部門が100万円。詩・短歌・俳句部門は30万円(準賞はその半額)。授賞式は17日、さいたま市内のホテルで開かれる。第56回埼玉文学賞は5月1日~8月31日まで作品を募集。4部門に、昨年より98点増の894点が寄せられ、過去3番目の多さだった。










