埼玉新聞

 

異常…大量のパン、チャイルドシートなど購入 議員の“私的流用”を認定、驚きの買い物の数々 さらに経理に関わらないよう事務局長に指示 領収証は明細部分を切り取り「常軌を逸している」

  • 会見する自民党県支部連合会の柴山昌彦会長=27日、さいたま市

    会見する自民党県支部連合会の柴山昌彦会長=27日、さいたま市

  • 自民党県連が公表した領収証の一部(写真の一部を加工)

    自民党県連が公表した領収証の一部(写真の一部を加工)

  • 会見する自民党県支部連合会の柴山昌彦会長=27日、さいたま市
  • 自民党県連が公表した領収証の一部(写真の一部を加工)

 自民党埼玉県支部連合会(柴山昌彦会長)は27日、小谷野五雄県議(69)=西8区、日高市=が2020~25年に精算した計1357件、総額2794万8493円について私的流用と認定した。県連は党紀委員会で小谷野氏の処分を協議し、返還請求・刑事告発を含めた対応を検討する。小谷野氏は8月30日の役員会で県連幹事長職の一時停止措置を受けていた。

 外部の弁護士を含めた調査委員会が事実関係について調査し、日用品、生鮮食品などの購入および会合内容が明らかな飲食代など93件については直ちに私的流用を認定。残り1264件についても、利用店舗の所在地が小谷野氏の地盤である県西部地域に偏在していること、現事務局長に対して経理に関わらないよう指示した事実などを勘案し、不正使用と認定した。

 日高市の食品加工メーカーで肉製品など約126万円分を購入した領収証などが公表され、同市のキムチ製造販売会社では約203万円分を購入、県内酒造メーカーのウイスキー466本(約213万円分)、90本の食パンや桃12ケース、チャイルドシートなどのベビー用品も含まれていた。

 薬局の領収証は明細部分が切り取られているものが計81件に上り、健康食品や日用品であることが調査で判明。役員会議や懇話会で参加者から会費を徴収しているにもかかわらず、全額を県連に請求し、会費を二重取りしている事例も発覚した。小谷野氏が支部長を務める日高支部の会合で配布されている資料と、県選挙管理委員会が公開している収支報告書の数字が異なることも明らかになった。

 同日、さいたま市内で会見した柴山会長は「常軌を逸している異常な請求。業務フローも含めて見直したい。党紀委員会の判断になるが、厳格な処分になるだろう」と述べた。24日の会見で私的流用を否定した小谷野氏は取材に、「内容が分からないのでコメントは控えたい」とした。
 

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