「心のふるさと」に別れ 26年分の感謝込めて交流 埼玉・久喜の東鷲宮小 新潟・十日町の赤倉地区で山村の生活体験する「自然体験教室」が終了 住民の高齢化やコロナ禍での中断など影響
2025/10/08/11:47
久喜市立東鷲宮小学校(西俊之校長、児童数519人)が実施している「赤倉自然体験教室」が本年度で終了することになった。5、6年生が毎年、新潟県十日町市赤倉地区を訪れ、民家に宿泊して山村の生活を体験する伝統の校外学習。9月28日に6年生95人が最後の訪問に参加し、26年間にわたる感謝の気持ちを込めて住民らと交流した。
体験教室は子どもたちに自然の中で豊かな心を育んでもらおうと、学区内の住民の紹介で2000年度に始まった。5月下旬に5年生、9月下旬に6年生が訪問し、赤倉地区の約15軒の民家で寝食を共にしながら、田植えや稲刈り、サツマイモ掘り、ハイキング、棚田見学、餅つき、赤倉神楽の見学などを実施してきた。
赤倉地区は過疎化が進み、地元の赤倉小学校は廃校に。住民らは「子どもたちの声が聞けてうれしい」と体験教室を喜び、東鷲宮小の学校行事を見学に訪れる人もいた。しかし、高齢化に伴い受け入れの準備を整えるのが難しくなったほか、コロナ禍の中断を挟んでホテル泊となり、交流機会が減ったことも重なり体験教室の終了が決まった。
この日、子どもたちは赤倉地区の民家で休憩して手作りのおにぎりを食べ、稲刈りとさつまいも掘り、ハイキングを体験した。旧赤倉小近くに住民らを招き、自分たちで企画・運営した感謝の会「赤倉ラストセレモニー」を開催。鼓笛演奏を披露して手作りのコースターと感謝状、卒業生から寄せられたメッセージ集を贈り、両校の校歌を合唱した。
「心のふるさと ありがとう赤倉」と書かれた横断幕が掲げられる中、最後の交流を楽しんだ子どもたちは「稲刈り楽しかった」「おにぎりもおいしかったです」などと26年分の感謝の気持ちを伝えた。東鷲宮小は今後、6年生が中心となって改めてお礼の手紙を贈る予定だ。










