埼玉新聞

 

日本初開催!デフリンピック 埼玉から22人の選手が出場 川越で壮行会、選手にサインエール ろう学園の生徒ら、和太鼓演奏で盛り上げ…参加者らは国際手話の体験、応援旗作製などでデフスポーツへの理解深める

  • 壇上の選手と来場者が一体となって行った応援のサインエール

    壇上の選手と来場者が一体となって行った応援のサインエール=23日、川越市幸町のりそなコエドテラス

  • 壇上の選手と来場者が一体となって行った応援のサインエール

 聴覚に障害があるアスリートの国際スポーツ大会「東京2025デフリンピック」を盛り上げようと、県内から出場する日本代表選手の壮行会が23日、川越市幸町のりそなコエドテラスで行われた。主催は全日本ろうあ連盟、共催は埼玉りそな銀行、主管は県聴覚障害者協会。手話などに関する体験企画もあり、共生社会に向けて理解を深めた。

 1924年にパリで始まったデフリンピックは4年に1度開催され、今回の東京大会で100周年。日本での開催は初めてとなる。11月15~26日に都内を中心に競技が行われ、県内からは10種目に22人の選手が出場する。

 今回の応援イベントには、サッカーやバドミントンなど県内在住の7種目17人の選手が出席。来賓として堀光敦史副知事、川越市・富士見市・三芳町の各首長が駆け付けた。主催者側からは県聴覚障害者協会の小出真一郎代表理事、埼玉りそな銀行の福岡聡社長が参加した。

 会場では坂戸ろう学園の生徒たちの和太鼓演奏で盛り上げたあと、17人の選手が壇上に上がり、空手競技に出場する小倉涼選手(25)が選手宣言を行った。その後、手話を基本にした動作で選手を応援するサインエールで、来場者が一体となって選手たちにエールを送った。

 小倉選手は前回大会で女子の形と組手で優勝。連覇が懸かる東京大会では日本選手団の旗手も務める。「思ってもいない大役を任された。残り2カ月、さらにレベルアップを図り、最高のパフォーマンスを発揮したい」と健闘を誓った。

 会場の各ブースでは、陸上のスタートランプを点灯させるデフスポーツ体験や、国際手話体験、応援旗の作製などを来場者が楽しんだ。県聴覚障害者協会の小出代表理事は「県内の選手には金メダルの獲得を目指して頑張ってもらいたい。今回の日本初開催を機に、共生社会への理解が深まることを期待したい」と願っていた。

【デフリンピック】 聴覚障害者による国際総合スポーツ大会。英語で「耳が聞こえない」を意味する「デフ」と「オリンピック」を組み合わせた言葉。国際オリンピック委員会(IOC)の承認を受けて2001年から現在の名称になった。競技のスタート音や審判による合図を視覚的に分かるよう工夫した上で、五輪と同様のルールで運営する。夏季、冬季とも原則4年に1度開催する。

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