埼玉新聞

 

2日間の開催→1日のみに 埼玉・川越の夏の風物詩「川越百万灯夏まつり」 26日に開催 暑さ対策のミスト稼働の費用や人件費、豪雨への備え重なり「2日間の開催が厳しい状況」と判断

  • 「川越百万灯夏まつり」を前にちょうちんの飾り付けの準備が始まった川越一番街商店街=11日午後、川越市内

    「川越百万灯夏まつり」を前にちょうちんの飾り付けの準備が始まった川越一番街商店街=11日午後、川越市内

  • 「川越百万灯夏まつり」を前にちょうちんの飾り付けの準備が始まった川越一番街商店街=11日午後、川越市内

 川越市の夏の風物詩「川越百万灯夏まつり」が26日、市の観光スポット「川越一番街商店街」から西武新宿線本川越駅周辺を会場に行われる。従来は2日間の日程で実施してきたが、近年の酷暑への配慮や物価高の影響などから、今年は1日のみで開くことになった。

 川越百万灯夏まつりは、毎年7月下旬ごろの2日間にわたって開かれてきた市民参加型の祭り。赤や青、黄色のちょうちんを縦に配置した飾りを道沿いに連ね、一帯に幻想的な空間をつくる。はやしや時代行列も披露され、多くの見物客でにぎわってきた。

 しかし開催日の周辺は近年、厳しい暑さや突然の豪雨が伴うようになった。会場では暑さへの対応として、ミストを配置したり水分補給を呼びかけるアナウンスを流したりして、訪れた人に配慮してきた。

 一方でミストの機材の稼働には費用を要するほか、物価高や人件費の増加、豪雨への備えなども重なり、今年は「2日間の開催が厳しい状況」(実行委)と判断。26日に絞って実施することに決めたという。

 担当者は「1日での開催が『正解』だとは考えていない。夏まつりを安心・安全に楽しめるイベントとして検討していきたい」と話している。

 当日は午後4時~同9時、市内の「札の辻」交差点から本川越駅にかけて交通規制が行われる。

 同夏まつりは川越城主の松平斉典から生前に受けた恩義に報いようと1850年、家臣三田村源八の娘魚子が斉典の新盆に切り子灯籠を作り、表玄関に掲げたことが始まりとされる。

 その後の中断を経て1960年、市と観光協会、川越商工会議所の主催で復活。82年には現在の名称になった。

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