埼玉新聞

 

現新元4氏の争いに 投開票は参院選と同日の20日 埼玉・飯能市長選が告示 厳しい財政状況の中での公共事業の在り方や子育て支援策を論戦か

  • 【地図】飯能市(背景薄緑)

    飯能市の位置

  • (左から)野口和彦氏、大久保勝氏、新井重治氏、野田直人氏

    (左から)野口和彦氏、大久保勝氏、新井重治氏、野田直人氏

  • 【地図】飯能市(背景薄緑)
  • (左から)野口和彦氏、大久保勝氏、新井重治氏、野田直人氏

 任期満了に伴う飯能市長選が13日に告示され、いずれも無所属で、元市議の野口和彦氏(50)、前市長の大久保勝氏(72)、現職の新井重治氏(72)、元市議の野田直人氏(68)の4人が立候補を届け出た。

 12年ぶり、投開票日が参院選と重なる選挙は現職、元職、新人2人の4人による争いとなった。厳しい財政状況の中、道路工事などの公共事業の在り方や、給食費無償化などの子育て支援策を巡って、活発な論戦が展開される見通し。

 野口氏は人口減対策として、給食費や教材、修学旅行、制服費用などを無償化し、「子育て費用限りなくゼロ」を掲げる。参院選立候補者の1人にも触れ、「彼が国会議員になり、私が市長になれば(国にも)すぐ対応してもらえる」と主張した。

 大久保氏は「ワクワクするまちへ」をスローガンに、市街化調整区域である精明地区の都市計画見直し、道の駅の整備などを訴える。「『発展可能性都市』になるかと思われたのに、今の現状はどうか」と問いかけ、「もう一度市政の舞台に上げてほしい」と述べた。

 新井氏は、給食費の無償化や子育て支援の充実、高齢者、障害者福祉支援策の構築などの政策を挙げる。他の候補者が凍結や中止を訴える久下六道線の拡幅事業について、「道路予算を子育て支援などに回すことはできない」と強調した。

 野田氏は保育料無償化、市長退職金の廃止、新たな企業誘致などを打ち出す。財政調整基金の残高が本年度末に4億円になる見込みであると指摘し、「市民の貯金は1人5千円だけ。これで災害があったらどうなるのか」と、財政再建を訴えた。

 有権者数は12日現在、6万6702人(男3万3123人、女3万3579人)。

 ■野口和彦氏
 【略歴】(1)不動産賃貸業(2)市議(3)拓大(4)飯能市(5)美杉台
 【公約】(1)学校給食、制服、修学旅行、教材費などの無償化(2)久下六道線工事の中止(3)女性が暮らしやすい街に
 
 ■大久保勝氏
 【略歴】(1)無職(2)旧名栗村議、市議会議長、市長(3)大東大(4)飯能市(5)下名栗
 【公約】(1)小中学校、保育所、幼稚園の給食費補助(2)久下六道線整備の凍結(3)精明地区の都市計画見直し
 
 ■新井重治氏
 【略歴】(1)市長(2)市建設部長、副市長、市議(3)県立玉川工高(4)飯能市(5)岩沢
 【公約】(1)学校給食費の無償化(3)久下六道線の整備(3)大胆な土地利用計画の見直し(4)スポーツ施設の修繕、整備
 
 ■野田直人氏
 【略歴】(1)会社役員(2)信金職員、市議会議長(3)国学院大(4)飯能市(5)飯能
 【公約】(1)新たな企業誘致、雇用創出(2)市長退職金の廃止(3)久下六道線拡幅工事の凍結(4)小中学校の給食費無償化
 
略歴は(1)肩書(2)主な経歴(3)最終学歴(4)出身地(5)現住所―の順。埼玉新聞調べ

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