長瀞町は、総務省の推進する「地域活性化起業人（企業人材派遣）制度」を活用し、ITコンサルティングなどを手がけるパブリックタレントモビリティ（東京都千代田区）の友田紗奈江さん（28）を、今月から出向職員として受け入れた。同町に地域活性化起業人が着任するのは、友田さんが初めて。

　同制度は、専門的な知見を持つ企業人を都心部から地方に派遣する仕組み。地方自治体と企業が連携し、地方圏への人流をつくることが目的で、事業に必要な経費は国が交付金で助成している。

　東京都出身の友田さんは、同社でデジタル人材育成や地域の広報発信事業などに従事している。今後は町企画財政課に在籍し、半月のペースで行政と町民のデジタル変革（DX）推進や、交流サイト（SNS）を活用した行政情報発信などに取り組む。任期は来年3月末まで。

　8日に同制度に関する協定締結式が長瀞町役場で行われ、大沢タキ江町長と同社の川人伸社長が協定書にサインした。大沢町長は「現在の長瀞町はITやDXなどにおいて、まだまだ発展途上。友田さんの知見を生かして地域振興に協力してほしい」とあいさつ。

　友田さんは「学生時代に長瀞観光に訪れているので、思い入れが深い。DXなどを通して、町民の方に便利な暮らしを提供していきたい」と意気込みを語った。