あきれた医師…大学“看護学科”の元教授、執行猶予3年に 前科・前歴なく 何度も児童ポルノを販売、裁判官「職業的」 長期間ずっと不特定多数の人にデータ提供 大学はすでに自己都合で退職
自身が運営する、児童ポルノに当たる画像などを販売するサイトで同様の画像を不特定の者に提供したなどとして、児童買春・ポルノ禁止法違反とわいせつ電磁的記録頒布の罪に問われた、元長崎県立大学の教授で医師の男(64)=愛媛県東温市=の判決公判が2日、さいたま地裁熊谷支部で開かれた。佐々木直人裁判官は男に懲役1年6カ月と罰金50万円、執行猶予3年(求刑・懲役1年6カ月および罰金50万円)を言い渡した。
佐々木裁判官は判決理由で、男が長期間にわたり、自身が運営するサイトで、児童ポルノに当たる画像のファイルデータを有償で提供していたことを「常習的で職業的な犯行」と指摘。提供をした相手や画像の数も少なくはないとし「犯行に及んだ状況も悪質」と非難した。一方で男に前科、前歴がないことなどから執行猶予付き判決とした。
判決などによると、男は2022年4月から23年3月までの間、7回にわたり、児童ポルノに当たる画像ファイルデータなど合計25点を保存し、不特定多数に提供するなどした。
■「性犯罪を抑止できる」2300万円売り上げたか(以下、再逮捕記事)
埼玉県警少年課と行田署の合同捜査班は2024年12月2日、児童買春・ポルノ禁止法違反(提供)とわいせつ電磁的記録頒布の疑いで、元長崎県立大教授の医師の男(63)=愛媛県東温市牛渕=を再逮捕した。男は自身が運営するサイト上で児童ポルノ画像や動画を7800件販売し、約2300万円の売り上げを得ていたとみられる。
逮捕容疑は氏名不詳の者と共謀し、2022年4月27日~23年3月21日の間、運営する販売サイトで申し込んだ5人に対し、児童ポルノの画像や動画のデータファイル計8点を販売した疑い。「今まで3千人ぐらいの人に児童ポルノ画像や動画を有料で提供した。小児性愛者の欲求を満たし、実際の児童に対する性犯罪を抑止できると考えた」と容疑を認めているという。
同課によると、ファイルは複数のデータが含まれる「写真集」で1点千円で販売。男は16年にサイトを開設し、以前、レンタルビデオ店の動画や写真集の画像を保管したデータを19年から提供していたとみられる。
サイト上では女児の裸体などの画像ファイル約350点、動画ファイル約80点が展示。男は昨年1月、10歳前後の女児の児童ポルノ動画2点を不特定多数の利用者が閲覧できる状態にした同法違反(公然陳列)などの疑いで11月にも逮捕されていた。
■情報提供あり発覚「無修正公開していない」(以下、初報記事)
自身が運営する児童ポルノ画像や動画の販売サイト上で同様の動画を公開したとして、県警少年課と行田署の合同捜査班は2024年11月12日、児童買春・ポルノ禁止法違反(公然陳列)とわいせつ電磁的記録陳列の疑いで、元長崎県立大教授の医師の男(63)=愛媛県東温市=を逮捕した。販売による売り上げは約2千万円とみられ、県警は詳しい経緯を調べている。
逮捕容疑は氏名不詳の者と共謀し、昨年1月11日ごろ、自身が運営する販売サイトで、10歳前後の女児の児童ポルノ動画2点を不特定多数のインターネット利用者が閲覧できる状態にした疑い。
同課によると、2022年12月、警察庁に「児童ポルノとみられる画像が公開されている」との情報提供があり、県警が捜査を開始。サイトの解析などから男がサイト運営に関与していることを特定した。サイト上には複数の女児の裸体などが記録された画像ファイル約350点、動画ファイル約80点が展示されており、一つのファイル当たり800~1万円で販売されていた。現在サイトは閉鎖されている。
男は「児童ポルノ販売サイトを開設運営したことは間違いないが、無修正の動画を公開したとは思っていない」と容疑を一部否認しており、「小児性愛者が児童に対して性犯罪を行うのを抑止する目的だった」などと供述しているという。
県警は男と共にサイトを運営していたとみられる長崎県の男性(39)にも任意で事情を聴いており、男の余罪を含めて調べる。
長崎県立大によると、医師の男は06年4月~今年3月まで同大学の看護学科教授で、自己都合で退職したという。担当者は「内容把握に至っていないので、コメントは差し控える」としている。