2021年11月24日(水)

人気で昼前に満席!浦和の老舗ラーメン店『中華そば「甲州屋」』、引き継がれる秘伝ダレ 増える女性客

時代を超えて愛される「昔ながらのさっぱり醤油ラーメン」。秘伝のタレが今も生きる
(左から)2代目の和熙さん、久子さん夫妻と3代目の裕章さん、奈緒さん夫=浦和区高砂

 1947(昭和22)年の創業以来、継ぎ足してきた秘伝のしょうゆダレが特徴の甲州屋。JR浦和駅から徒歩7分、県庁通り沿いの好立地にあり、昼前には席が埋まる。夕方からはお酒を楽しむ人や、2階の座敷では家族連れの姿もみられ、世代を問わず親しまれている浦和の老舗ラーメン店だ。

 山梨県出身の白須次郎さんが浦和に来てお店を開いたのが甲州屋のいわれ。食材や物資も乏しい中、最初は駅前で、屋台の物売りから始まったという。「創業は県庁の火事があった頃。当時はラーメンだけでなく、いろいろなものを扱っていた」と、次郎さんの長女、久子さんは記憶を振り返る。

 久子さんが、やはり山梨出身で従業員だった和熙(かずひろ)さんと結婚。74(同49)年ごろから2代目としてタレの味を継ぎ、お店を切り盛りした。日本三大鶏の鳥取大山鶏のガラやゲンコツを10時間以上煮込むダシと秘伝ダレと細麺がよく合う、さっぱり「醤油(しょうゆ)ラーメン」を提供し続け、現在も元気に厨房(ちゅうぼう)に立っている。

 夫妻の次男、裕章さん(43)が3代目となったのは10年前。調理の専門学校を卒業後、化学調味料を使わないことで知られる、練馬の老舗中華料理店「茶平(チャーペイ)」で修行の後、子どもが小学校に上がるタイミングで地元の浦和に戻った。「幼少の頃から調理をする両親を見ていて、継ぐことに違和感はなかった」と話す。2代目の和熙さんも経験を積んだ腕前を見て「任せられると思った」と太鼓判を押す。久子さんも「3代目が加わってよりおいしくなった」と笑う。

 裕章さんは、受け継がれた味を守るとともに、6年前から日高昆布と高知・天海の天然塩を使った塩ラーメンを始めるなど、独自のアレンジにも取り組んでいる。また、2年前からは浦和駅西口近くで、担々麺を専門とする「甲州屋別邸」を友人と共同経営。新しいことにも積極的に挑戦している。

 30年以上前から通い続けているという常連の男性(70)は、「味はもちろんだが、店の温かい雰囲気が好きで週に1回は来ている。浦和に仕事で来た際に寄ったのが始まりで、その時はおばあさん(初代の奥さま)もいた」と懐かしむ。

 一昔前は地域のサラリーマンがお客の大半だったが、現在は雑誌などで紹介された記事を読んだラーメンファンも多く来訪するようになり、女性客も増えた。しょうゆと塩ラーメンは化学調味料は使わず、「毎日食べても飽きないラーメンを目指していきたい」と、裕章さんは胸を張った。

 【メモ】中華そば「甲州屋」 浦和区高砂3の2の11。電話048・822・3740。営業時間は午前11時〜午後3時、午後5時〜同9時(土曜は同8時)。定休日は、日曜・祝日。

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