2021年4月26日(月)

<新型コロナ>嘆く飲食店、酒類自粛で…埼玉まん延防止に13市町追加 公園に大勢の人々「中途半端」

生ビールを買い求める観光客(左)=25日、川越市内
店の入り口に張られた営業時間短縮を知らせる張り紙=25日午後、所沢市

 新型コロナウイルスの「まん延防止等重点措置」で、県内の対象地域に川越市や所沢市など13市町が28日から追加される。県は区域内の飲食店に酒類の提供を自粛するよう要請するが、飲食店側は「酒が提供できないと商売が成り立たない」と困惑。大型連休中の酒類販売の取りやめを決めたケースもみられる。今回の対象区域外となった自治体で営業する店舗からは「中途半端な対応だ」との声も上がる。

 「コロナ前」のにぎわいに戻り切れていない小江戸川越。観光名所「時の鐘」近くの軽食販売で、さいたま市浦和区から訪れた30代女性は「飲みたくて、ずっと探していた」と、注がれた生ビールで喉を潤していた。「観光地に遊びに来て、ビールが飲めなくなるなんて残念だけど、今の状況であればしょうがない」と話した。

 店員によると、大型連休中や周辺のイベント開催中にフランクフルトなどの軽食とともにビールを販売してきた。川越市がまん延防止等重点措置の対象区域に指定されたことなどを受け、今年の大型連休中は一切の販売を取りやめることを決めたという。「影響は大きい」と嘆く。

 川越のクラフトビールなどをメニューに載せる料理店の店主は「ゴールデンウイークは、書き入れ時なので厳しい」と漏らす。「店は苦しいけれど、今は東京と連携し、コロナを封じ込めるしかない」と話した。

 「お酒の提供ができないと商売として成り立たない。措置の内容がよく見えない」。所沢市内のレストランの男性オーナー(60)は懸念を口にする。現在は席数を半分ほどに減らした上で、入店できる客数も制限し正午から午後9時まで営業する。だが措置が出された場合は午後8時までの営業とし、酒類の提供は終日取りやめる方針だ。「制限をかけるのであればロックダウンなど強い措置をして、全ての業種が休業した方が納得できる。飲食店はどの店も対策に真剣に取り組んでいる」と強調した。

 同市の50代女性は市内の航空公園を訪れ、人の多さに驚いたという。「東京都に緊急事態宣言が出されたことで東京から人が流れてくることも心配」と不安げに話す。まん延防止措置には「内容が分かりづらい。都内に行くことや外食は控えているし、感染防止対策をすることには変わらない」と話した。

 一方、今回の措置の対象区域から外れた自治体の飲食店も不安や困惑をのぞかせた。

 川越市の西側に隣接する坂戸市の飲食店は、夜間営業の自粛を継続させてきた。オーナーは「これで感染を収束させるぐらいの思い切った対応が必要。まん延防止の要請内容では中途半端な気がする」と効果を疑問視する。

 所沢市の西側に隣接する入間市。郷土料理店ともんの戸門秀雄さん(68)は「お酒を提供できないとなると経営的にも大きい」と話す。都内で飲食店を営む客からは「『うちは休業です。埼玉は営業ができていい』とも言われた。東京都に緊急事態宣言が出た以上、埼玉にも余波は来るだろう。入間市が対象区域になることも覚悟している」と話していた。

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