2020年1月3日(金)

<高校ラグビー>浦和、ベスト8進出ならず 桐蔭学園に5―78 「伝家の宝刀」で1トライ

桐蔭学園―浦和 後半9分、浦和のCTB吉田(中央)が突破を図るも阻まれる
後半10分、浦和のCTB東島(右)がタックルを仕掛ける

 ラグビーの全国高校大会第4日は1日、大阪府東大阪市の花園ラグビー場で3回戦8試合が行われ、埼玉代表で6大会ぶり3度目出場の浦和は、前回大会準優勝で春の選抜大会を制したAシード桐蔭学園(神奈川)に5―78で敗れ、ベスト8進出はならなかった。

 浦和は今大会、1回戦で玉島(岡山)に5―0で競り勝ち、冬の全国大会初白星を記録。2回戦では青森山田を33―28で下し、県勢としては2016年度の第96回大会の深谷以来、3大会ぶりの16強入りを果たした。

■攻撃止められず

 浦和は桐蔭学園の素早い攻撃を止められずに完敗。前半だけで7トライを奪われ、計12本のトライを許した。

 前半2分に先制トライを失うと、浦和は桐蔭学園のFWとバックスが一体となった質の高い攻撃に対応できず、低いタックルとしつこい防御も不発に終わった。攻めては後半12分、ラインアウトからモールで押し込みトライ。意地を見せた。

■結果で“真の文武両道”示す

 優勝候補の桐蔭学園を相手に、「浦高」の戦士たちは勇敢に挑んだ。だが、力の差を見せつけられて完敗。「桐蔭さんは決して複雑ではなく、シンプルなプレーだった。一つ一つ詰めていて、付け入る隙がなかった」と話す三宅監督の頬には、一筋の涙が流れた。

 浦和が東の横綱から奪うことができたのは、たったの1トライ。だが、この5点は磨き上げてきた「伝家の宝刀」、モールからの得点だった。

 後半12分、10メートルライン左でマイボールラインアウトを獲得。SO目黒は「バックスに(ボールを)回せ」とFWリーダーのロック梯にサインを送った。だが、梯は「ここはモールだ」と主張し、方針は決まった。ラインアウトのスローインをキャッチすると、FW陣がモールを形成。ここにバックス陣も加わって12人で押し切り、最後はナンバー8で主将の松永がインゴールで抑え込んだ。

 「3年間やってきたモールで取れなかったら、一生心残りになる」と松永。県内一のモール攻撃で、全国の強豪校に一矢報いた瞬間だった。

 「浦高」の挑戦は3回戦で幕を閉じたが、新たな歴史を刻んだ。大会前は、進学校の初心者集団で注目されたが、1回戦で玉島から冬の全国大会初勝利。2回戦では、トンガ人留学生コンビを擁する青森山田に競り勝った。

 指揮官は「浦高OBや全国の公立校に希望を与えられたら」と語っていたが、結果で“真の文武両道”を示した。

 松永は「本当に最高の3年間を送らせてもらった。花園での悔しさを1、2年生は忘れないでもらいたい」と目を赤くしながら思いを託す。次の1ページを刻む歩みは、ここから始まる。そして、「浦高」が花園で戦った雄姿は記憶に残り、勇気や希望を与えた。

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