2019年6月24日(月)

池袋の暴走事故の影響か…高齢者の運転免許返納が増加 事故後、埼玉県内で1510人増 県警がまとめ

安全運転を呼び掛ける高齢者講習を受ける受講者たち=6日、鴻巣市の県警運転免許センター

 県内で4〜5月にかけて自動車運転免許を返納する高齢者が増加していることが、23日までに県警のまとめで分かった。東京都豊島区東池袋で4月19日、高齢者が運転する車が暴走し、母子2人が死亡、10人が負傷した事故の前後で特に増加傾向がみられるという。

 県警運転免許課は「増加した理由は分からないが、池袋の事故の影響もあるのではないか」としている。

 同課によると、事故が起きた2日後の4月21日〜5月31日に免許を返納した高齢者は3826人。前年同期の2316人と比べると1510人多かった。1月1日〜4月20日は7455人で、前年同期の7879人と大きな違いはなかった。

 事故前後の1週間をみると、4月14〜20日は525人、21〜27日は716人だった。

 免許更新で鴻巣市の県警運転免許センターに訪れた北本市の自営業、山本義男さん(84)は、池袋の事故後、50代の娘から免許返納を勧められるようになったという。

 山本さんは、自分の体を心配してくれる娘に感謝しながらも、「車で出掛けることが生活の楽しみ。まだまだ頭は元気だから、90代になるまでは心配ない」と語った。

 久喜市の無職男性(80)は「若い頃と比べれば、運転感覚が多少鈍くなっている気がする」と不安な表情を見せていたが、「毎日運転しているから事故を起こす心配はない。車がないと重たい荷物が運べないから生活できない」と話した。

 免許センターで実施している高齢者講習で、同課の担当者は「視力や聴力、判断力などの低下により、一時不停止や信号無視の違反が増えている」と説明。受講者に「加齢に伴う身体機能の変化を自覚し、安全運転を心掛けてほしい」と呼び掛けている。

 同課によると、高齢運転者の事故原因はアクセルとブレーキの踏み間違いや、高速道路の入り口と出口を間違える逆走行など、運転操作不適によるものが目立つ。

 県警では2008年から、免許返納者に「運転経歴証明書」を交付する、シルバー・サポーター制度を導入。運転経歴証明書を提示すると、協賛店舗や施設でさまざまな特典を受けることができる。

 6月10日現在は、デパートや飲食店、タクシー会社など255の事業者が協賛。購入商品の無料配送や、タクシー代金10%引きなど、車のないセカンドライフの新たな楽しみ方を提案している。

 交通総務課は「車の運転に少しでも不安がある方は免許返納を検討しほしい」としている。

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