2018年9月24日(月)

入手が困難なイチローズモルト、生産量が最大5倍に 秩父のベンチャーウイスキー、第2蒸留所を建設

建設工事が進むベンチャーウイスキーの第2蒸留所。左奥は貯蔵庫=20日午前、秩父市みどりが丘の秩父みどりが丘工業団地
ホワイトラベルは販売中だったが、リーフシリーズは売り切れが多い=21日午後、秩父市内の酒販店

 秩父市のベンチャーウイスキーが市内の秩父みどりが丘工業団地内に、第2蒸留所を建設している。同社のブランド「イチローズモルト」は極めて人気が高くなり、入手が困難な状況が継続中。第2蒸留所は年内に完成し、早ければ来春に稼働する見込み。生産量は従来の蒸留所に比べ最大5倍になるという。

 同社は今年3月に行われた英国のウイスキー専門誌が主催する世界で最も権威のあるウイスキー品評会で、2年連続で世界最高賞を受賞するなど、世界的にも評価が高い。人気が広がる一方で、年間生産量が約9万リットルと小規模なこともあり、品薄状態が慢性的に続き、課題になっていた。

 秩父市内の酒販店によると、最も一般的なホワイトラベルは比較的入手しやすいが、通常商品であるダブルディスティラリーズをはじめ、MWR(ミズナラウッドリザーブ)やWWR(ワインウッドリザーブ)のリーフシリーズは入荷したその日のうちに売り切れてしまうという。関係者は「観光客もよく買い求めてくるが、買ってもらうのはかなり難しい」と現状を語った。

 第2蒸留所は秩父蒸留所にほど近く、敷地面積は1万2943平方メートル。現在は管に蒸気を通して蒸留器を加熱する間接加熱方式だが、ガスバーナーで蒸留器を加熱する直接加熱方式を採用する。直火はコントロールが難しいが、ウイスキーの本場であるスコットランドの伝統的な工法で、力強い味わいに仕上がる。一般見学や販売は予定しない。

 第2蒸留所は6月から工事を着工しているが、稼働に備えて、今春には地元の県立秩父農工科学高校の卒業生2人と大卒4人の計6人を採用し、従業員は20人に増えた。地元産の大麦を使ったウイスキー造りや、地元産のミズナラを使ったたる作りも進んでいる。

 第2蒸留所で生産されたウイスキーは最低3年熟成させるため、最初の出荷は数年先になる見込みだ。同社ブランドアンバサダーの吉川由美さん(37)は「自分たちのウイスキーを好きな人たちが気軽に手に取って、飲んでもらえるようにしたい。第2蒸留所が稼働すれば、味のバリエーションも増えるので、より個性的なウイスキーを造っていければ」と話していた。

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