2018年3月16日(金)

<川口いじめ>靴に「シネ」…生徒不登校、母が批判 卒業式欠席、記念品なし…あの組に僕はいなかったんだ

男子生徒の母親(手前右)に報告書を渡し説明する井上清之学校教育部長(中央)ら=16日、川口市立戸塚公民館

 クラブ活動の部員からのいじめやインターネットの中傷の書き込みなどを苦にして、川口市立中学3年の男子生徒(15)が不登校になっている問題で、同市教委のいじめ問題調査委員会が示した調査報告について、男子生徒の母親は16日、市教委の謝罪と説明を聞いたが「市教委の謝罪は受け入れられない。話し合いをしてもうそを重ねる姿勢、いじめは改善できたはずなのにしなかった責任は重い。第三者の調査委員会は被害者に寄り添って調査するべきものなのに、そうではなかった。事実と違う内容もある」などと語り、市教委と調査結果を批判した。

 学校の対応については、「山ほど言いたいことがある。中学生の3年間は一生に一度のこと。やり直せない。あの子は3年間のうち1年半はいじめで嫌な思いで過ごした。残り1年半は校長や教頭に苦しい思いをさせられたが、あの子はいじめよりつらかったと言っている」と話した。

 校長と教頭が2017年3月、新たに3年生になる男子生徒にいじめ防止や男子生徒に対する学習支援を盛り込んだ11項目にわたる「今後の支援体制について」と題した書面を渡し、「しっかりやるから学校へ来てほしい」と説得した。

 だが、その「対策」はその後1年間、現場教師の間で共有されず、男子生徒は新学期の初日からいじめ被害に遭っていた。その頃は、市教委が第三者委員会を立ち上げ調査が始まっていた中で、靴の裏に「シネ」などと落書きされることも起きた。

 「あの子は本当に心が壊れた。学校は文科省や県教委から再三指導や助言を受け、いくらでも改善することができたはずなのに、何もしてくれなかった。学校が約束した支援体制をしっかりやっていれば、いじめは防げたと思う」と語り、強く批判した。

 男子生徒の卒業式は15日だったが、男子生徒は出席しなかった。「もし出席していたら、あの子だけがないものがあった。クラスの全員が書いた文集や、生徒全員がそれぞれの親へ渡す感謝の手紙や、先生方へのメッセージなど、知らされていないので何も書いていない。卒業記念品も、申込期日が過ぎた手紙を渡されたので申し込めなかった」と、母親は悲しがった。

 卒業式の日、男子生徒は母に言ったという。「3年2組に僕はいなかったんだ」

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