2018年2月23日(金)

タウ、終末期患者の願い実現 希望する思い出の地へ車で無料送迎、看護師ら同行 取り組み具現化は日本初

 事故車の買い取り、販売を手掛けるタウ(さいたま市中央区)は、終末期の患者らの「願い」実現に取り組む。終末期の人らが希望する思い出の地へ、医療用車両を使い無料で送迎する終活支援プロジェクトを始めた。対象は1人での移動が難しい人で、民間救急車を使い、看護師らも同行し外出する。

 タウによると、欧米ではこの活動が主にボランティア形式で拡大しているが、日本で取り組みが具現化されるは初という。

 終活プロジェクト名は「願いのくるま」。病院やホスピスなどから、1人で動くのが困難な人で、外出希望者を集める。希望者から思い出の土地、親族の結婚式など要望を聞き送迎。外出は日帰りのみとした。

 外出には主治医の了承と、家族の同意を得た上で行う。同意書は海外で同様の活動を行うボランティア団体からフォーマットを入手し、それを基に社の顧問弁護士らと内容を協議し、作成した。

 外出については、あらかじめ民間救急会社と提携。車両は、酸素ボンベ、吸引機、自動体外式除細動機(AED)などが取り付けられた救急車を使う。外出には看護師やボランティアが同行する。

 プロジェクト運営に当たり、一般社団法人「願いのくるま」を設立。職員とタウの社員5人程度が関わる。運営費用は同社が捻出する。実際の運営は始まっていて、提携先の県内2ホスピスで、患者らが希望する場所の聞き取りを始めた。提携先は、県内の病院などに広げたい考え。

 タウの事業の商材は「事故車」。そのため、「事故で経済や精神的につらい思いをしている人もいることを忘れずに、事業を進めなければならない」との考えの下、社会貢献活動の拡充を進めている。新たなプロジェクトもその一環。

 タウの原田眞会長と宮本明岳社長は、欧米で1人で移動が困難な人を外出させるボランティア活動が盛んなことは知っていた。

 昨年、テレビで取り組みの特集番組を視聴し、「車を活用したボランティアなら、自社事業との関連性もある」(両氏)と思いを強くした。自社の社会貢献を拡充させることも含め、取り組みを具体化させようと17年10月から、準備を進めていた。

 将来的には、活動に理解を示す企業からの協賛を見据える。また19年には法人を公益社団法人にして、全国的な活動を目指す。

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