2018年2月5日(月)

身元不明の遺体を2年間放置 さいたま市の職員、業者に依頼して事務終了と誤認 遺体は保冷庫で安置

 さいたま市は5日、緑区福祉課の20代の男性主事が身元不明遺体の事務処理を適切に行わず、遺体を約2年間、放置していたと発表した。葬祭業者に遺体の安置を依頼した時点で事務処理が終了したと勘違いしたことが原因で、区は速やかに火葬などの手続きを進めるとしている。

 区によると、2016年1月7日、緑区東浦和1丁目の路上で男性が倒れているのが発見され、搬送先の病院で死亡が確認された。男性は60〜65歳で身長約170センチ。通帳やキャッシュカードなどを所持していたものの身元の特定には至らず、浦和東署から区に遺体の引き取り依頼があった。

 身元不明で引き取り人のいない遺体は「行旅死亡人」として法律に基づき、遺体の特徴や所持品、死亡経緯などを市の掲示板で告示、官報に掲載するとともに火葬手続きしなければならない。しかし、行旅死亡人の事務処理が初めてだった男性主事は、葬祭業者に遺体の安置を依頼した時点で事務処理が終了したと誤認。組織内でも業務管理が行われていなかった。

 遺体は棺に入れられた状態で約2年間、保冷庫に安置されていた。今年1月30日、葬祭業者から男性主事の上司に相談が寄せられて発覚。男性主事もそれまで葬祭業者から連絡を受けていたが、「自分で対応を検討するつもりだった」と上司に報告していなかったという。

 区は再発防止策として職員研修を実施し、業務マニュアルの再整備や進行管理の徹底を図るとしている。区健康福祉部の池田智二部長は「職員の不適切な処理により行政への信頼を損う事案が発生し、市民や関係者に対して大変申し訳ない」と陳謝した。

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