2017年10月14日(土)

1週間も山で遭難…動けぬ男性、釣り人2人が救助 釣った魚で食事、コーヒー飲ませ一緒に野宿 県警が表彰

(左から)愛敬進署長から感謝状を受け取った新井一彦さんと新井教央さん=13日午後4時ごろ、秩父署

 秩父市大滝で約1週間にわたって山岳遭難していた東京都練馬区の無職男性(77)を救助したとして、秩父署は13日、いずれも同市在住の会社員新井一彦さん(48)と織物業新井教央さん(49)に感謝状を贈呈した。愛敬進署長から感謝状を受け取った2人は「当然のことをしただけ」と口をそろえた。

 同署によると、9月29日正午ごろ、2人は滝川へ渓流釣りで訪れた際、笛の音を聞いた後、河原で動けなくなっていた男性を発見。あめと水しか持っていなかった男性に食事を与え、一緒に野宿した。翌日に携帯電話がつながる出会いの丘まで下山し、同署へ救助要請を行い、県の防災ヘリで男性は無事救助された。

 男性は9月20日に山梨県側の西沢渓谷から入山し、日本百名山の甲武信ケ岳から雲取山までを3泊4日で縦走する計画だった。22日に唐松尾山付近で道に迷ったとみられ、帰宅予定の23日に戻らなかったため、男性の妻が同署に連絡。山岳救助隊が捜索していたが、発見できていなかった。

 2人は中学校と高校の同級生。寒がっていた男性にコーヒーを飲ませ、釣ったイワナの塩焼きも与えた。「動かないで」と言ってから下山し、食料も残していったという。男性の登山歴は約50年だが、軽装で宿泊予定の山小屋が営業していないことも知らなかった。

 同署地域課の坂田浩課長は「登山届が提出されていなかったが、場所を的確に教えてくれたおかげですぐに救助できた」と語った。新井一彦さんは「誰でも助けると思うし、普通のこと」、新井教央さんも「助けない人はいない」と話していた。

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