2017年1月18日(水)

“地域猫”活動、個人のボランティアも支援へ 県、殺処分ゼロ目指す

県内のネコ殺処分数の推移

 殺処分される野良猫を減らし、地域の環境衛生を維持するため、県は2012年度から「地域猫活動推進事業」を行っている。しかし、本年度までに手を挙げている自治体は13市町にとどまっていることから、新年度に制度を見直すことにした。自治会などの団体を協力の対象にしているが、個人活動も含めるなど門戸を広げ、県の年間の殺処分数をゼロにすることを最終目標にしている。

 県生活衛生課などによると、地域猫活動は地域の了解を得た上で、住民や動物愛護団体が野良猫に不妊手術を施して繁殖しないようにし、餌やりやふん尿の掃除などを行って地域で管理する取り組み。1997年に、野良猫が繁殖を繰り返し、ふん尿や鳴き声に悩んだ横浜市磯子区の地域住民によって始まったとされる。

 県の事業では、一つの自治体に1カ所のモデル地区を設定し、動物愛護団体や自治会が地域猫活動に取り組む。県は自治体に、野良猫の去勢・不妊手術費、トイレ資材や清掃用具の購入、病院輸送費、活動啓発費などとして、年間40万円を3年続けて補助している。

 しかし、本年度までに事業を実施した自治体は上尾市や入間市、所沢市、吉見町、嵐山町など13市町にとどまっている。自治体側からは「事業を実施したいが、協力してくれる動物愛護団体や自治会が見つからない」「モデル地区をなかなか1カ所に絞れない」などの声が県に寄せられていたという。同課は「制度のハードルが高く、なかなか自治体が手を挙げにくかったのではないか」とみる。

 制度の見直しで、一つの自治体で複数の地区を対象にしたり、動物愛護団体や自治会のほかに、個人のボランティアが取り組んでいる地域猫活動にも助成する。制度を見直すことによって、17年度は新たに15自治体程度の実施を見込む。

 県内では06年度に5513匹のネコが殺処分されていたが、動物愛護団体や行政の捨て猫防止の啓発活動などもあり、15年度には1324匹に減少。その一方、15年度の野良猫などに関する苦情件数は1万8241件に上る。県動物愛護管理推進計画では、23年度にはイヌと合わせて殺処分数を500匹・頭未満にすることを目標にしている。

 地域猫活動などに取り組むNPO法人アニマル・サポート・メイトの野田静枝代表(さいたま市)は「行政や動物愛護団体から地域猫活動をやりましょうといわれても、地域住民に理解されるのが難しい。地域住民が餌やりや清掃、去勢・不妊手術に自発的に動き、主導することが何よりも求められる」としている。

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