![]() |
特殊な蓄電装置「キャパシタ」を使って台車に取り付けてある車輪を動かす生徒たち=22日、川越市の県立川越工業高校 |
川越市の県立川越工業高校の生徒たちが、短時間で充電できる特殊な蓄電装置を使って走らせる電車製作に取り組んでいる。実現すれば、架線がなくても電車が走行できるようになるという。22日には台車に取り付けてある車輪を動かす作業が報道陣に公開された。
研究を行っているのは同校電気科電車班の生徒たち。同科では毎年、電車製作の研究に取り組んでおり、今回もその一環。昨年は乾電池で動く電車を秋田県の由利高原鉄道路線で走らせ、走行距離約20キロを達成してギネス世界記録に認定された。
今回使っているのは、短時間で充電ができる「キャパシタ」と呼ばれる特殊な蓄電装置で、複数つなげて電力源にして電車を走らせる。この日の実験では、60個のキャパシタが台車に取り付けられ、数分間、車輪を動かした。一般的な電車は架線から流れる電気を電力源に走行しているが、キャパシタを使うことで架線がなくても走行できるようになる。
充電する際は専用の装置を使い、非接触(ワイヤレス)で充電する。それにより、走行中の電車がホームで停車した際、自動的に充電ができるようになるという。
今後は26日に、260キロ以上ある台車をレール上で走行させる試走を実施。10月に行われる文化祭では、実際に人を乗せて走行させる予定だ。
同班班長の3年本橋佳樹さん(18)は「人を乗せ、安全で確実に走行させるのが目標。工業高校の生徒はここまでできるのかと驚いてもらえる電車を作りたい」と話している。
同校ではほかにも、機械科の生徒たちが同様の仕組みを使って電気自動車を作る研究を行っている。