2016年5月24日(火)

医師会の考えは…校医大量辞任の吉川、審査会も5人辞任「市民犠牲」

 吉川市で小中学校の校医が大量辞任した問題で、市の介護認定審査会でも審査会の委員だった医師8人のうち5人が辞任していたことが23日、市や吉川松伏医師会への取材で分かった。医師会は別の医師1人を推薦したとするが、従来通りの審査を行えなくなるため、委員への負担が増えたり審査会の公平性が保たれなくなるなどの懸念もある。

 市によると、審査会委員だった医師5人が3月下旬までに、医師会を通じ「退任願」を市に提出した。5人は3月末付で委員を辞任。理由は「一身上の都合」だった。任期は2015年4月〜17年3月の2年間。医師5人は任期1年を残して退任した。

 介護認定審査会は要介護認定などの審査、判定を行う機関。介護保険法などで定められ、審査会の委員は医療・保健・福祉の学識経験者で構成される。同法は審査を行う合議体の標準人数を「5人」としている。

 これまで同市では医師、歯科医、薬剤師、看護師、福祉関係者計20人が、市の委嘱を受け委員を務めていた。医師2人を含む5人の合議体四つを構成し、それぞれの合議体が2カ月に3回のペースで審査会を開いていた。

 医師5人が辞任した4月からは、医師の人数を減らして対応。市の条例で合議体の人数は「5人以内」とされ、法的にも問題はない。市いきいき推進課は「大きな問題は起きていない」としながらも「在るべき姿に戻せるよう医師会にお願いしている」と述べた。

 本来2人の医師が審査に関わる合議体で、現状三つの合議体で医師は1人、残る一つの合議体は医師が不在の状態が続いている。同じ条件で審査が行われず、審査会の公平性が問われる。

 同医師会は、辞任した医師とは別の医師1人をすでに推薦したことを明らかにし「今後も市に全力で協力していく」とコメントした。吉川市では小中学校の校医16人のうち10人が今年3月末に辞任していた。

 関係者によると、4月に医師会の医師5人が辞任したことで、合議体のメンバーが減少。最低限のメンバーで行っている合議体は欠席できない状況が続いており、合議体の数自体や1回の審査対象数を減らそうとする動きも出ているという。審査は提出から1カ月以内に結果を出す必要があり、審査の期限切れや通常業務を抱える審査会医院の負担増も懸念される。

 関係者は「異常事態。医師会は事情を抱えていると思うが、市民の健康福祉が犠牲になるのはおかしい。医師会は何を考えているのか」と訴える。別の関係者は「医師会は問題があるならはっきりと言うべきだ。この問題を多くの人に知ってほしい」と話した。

購読申し込み 携帯サイト