2016年4月24日(日)

クライミングW杯、加須で開幕 トップクライマーの競演、興奮隠せず

世界最高峰のパフォーマンスに約700人の観衆が見入った=23日午前、加須市民体育館

 2020年東京五輪追加種目候補に挙がり、注目度が増しているスポーツクライミングの「IFSCクライミング・ワールドカップ(W杯)ボルダリング加須2016」(国際スポーツクライミング連盟・日本山岳協会主催)が23日、加須市民体育館で開幕。25の国と地域から122選手が予選に挑んだ。同体育館に詰め掛けた約700人の観客は、世界のトップクライマーの競演に熱い視線を送った。

■五輪見据え熱気上昇

 ボルダリングは、傾斜や構造などバリエーションに富んだ5メートル以下の人工壁を舞台に、突起物のホールドに手や足を掛け、完登数などを競う種目。予選では全選手が1人当たり五つのコースで競技を行った。1コースの制限時間は5分。観客は「ガンバ!」などと声援を送り、選手の背中を押した。難所を越えたり、最高点にあるゴールのホールドをつかむと、拍手が起こった。

 スポーツクライミングが趣味という茨城県ひたちなか市の会社員石川史人さん(31)は「W杯が日本でやるので、加須に行くしかないと思った。普段インターネットで見ている海外の選手が間近にいる。手に汗を握ります」と興奮を隠せなかった。

 加須市は、04年の埼玉国体でクライミングの競技会場に選ばれたのを契機に、各種大会の開催や競技の普及、選手の育成に力を注ぐなど、「クライミングのまち」を全面に打ち出している。大橋良一市長は「W杯に対する期待の高さを感じる。東京五輪(の正式種目)が見えているので、選手や関係者にとって従来のW杯とは違ったものになるだろう。クライミングを世界の多くの人に知ってほしい」と語った。

 同体育館では、07年に制限時間内に到達高度を競う「リード」、09年にボルダリングのW杯が開かれている。7年ぶりとなる地元でのW杯に加須市山岳連盟の古峰孝会長(79)は「大盛況で喜ばしい限り。想像以上に盛り上がっている。競技の普及など今までやってきたことが無駄ではなかった」と声を弾ませた。

 会場の内外では2日間で約50人の一般ボランティアが通訳や案内などとして活躍する。「Do your best(最善を尽くせ)」と、選手の目に留まるようなメッセージボードを用意したイベント担当の加須市の会社員相原伸司さん(48)は「住んでいるまちに少しでも恩返しできればと参加した。『加須市のイベントは楽しい』と思ってもらえれば」と話した。

 24日は男女の準決勝と決勝を実施。入場券は前売り分で完売しているが、午後2時からパストラルかぞ大ホールで決勝のパブリックビューイングを行う。入場無料。

 また開会式に先立ち、熊本地震の犠牲者に黙とうをささげ、体育館の入り口には義援金箱が設置された。

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