2016年4月12日(火)

オバマ大統領、任期最後の訪問に期待 G7広島宣言で埼玉の被爆者ら

 原爆投下から70年余り、被爆地への歴史的訪問が実現した。広島市の平和記念公園にそろった先進7カ国(G7)外相らが11日、慰霊碑に花を手向けた。「広島宣言」に不満の声も漏れる中、ケリー米国務長官は「世界が切望する未来をつくる」と誓った。

 核なき世界へと歩みを強めるよう各国リーダーに託す埼玉や広島、長崎の被爆者ら。オバマ米大統領の初訪問への期待も高まっている。

 埼玉の被爆者や関係者は、核保有国の現職外相が原爆慰霊碑に献花したことを評価する一方、「核廃絶につなげて」と軍縮への思いを明かした。

 広島出身で県原爆被害者協議会「しらさぎ会」のメンバーで志木市の三宅信雄さん(87)は16歳で原爆を体験し「奇跡的に助かった」。昨年12月から南太平洋の国々を巡り、核廃絶を訴え3月末に帰国したばかり。今回のG7外相が広島を訪れたことを素直に喜んだ。

 「核保有国の外相が平和記念公園を訪れ、献花したことは画期的だ。核兵器の非人道性を知り、核廃絶につながってくれればと願うばかりだ」と語る。

 米国務長官に続きオバマ大統領の広島訪問を望んでいる。「核兵器のない世界を目指すと訴えた大統領。任期の最後に当たって、ぜひ広島を訪れてほしい」

 「原爆の図」で知られる東松山市の丸木美術館。画家の故丸木位里、俊夫妻が原爆投下直後の広島を描いた。学芸員の岡村幸宣さんは今回のG7外相訪問を一定評価しつつ「セレモニーで終わってほしくない」と、核廃絶に向けた実効性を求めた。

 昨年「原爆の図」は米首都ワシントンなどで巡回展を開催。原爆の非人道性を伝える活動は、世界的広がりを見せている。岡村さんは「今回の訪問を核をなくす一歩にしてほしい。(原爆を)落とされた側の痛みを知ることで、核なき世界の現実化への道筋を立ててほしい」と話した。

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