2016年4月4日(月)

医師ら救急現場に出動、さいたま赤十字病院がドクターカー運行開始

運行が始まったさいたま赤十字病院のドクターカー(県提供)

 さいたま赤十字病院(さいたま市中央区)は1日から、医師や看護師らが同乗して救急現場に出動し、応急処置などをするドクターカー(1台)の運行を始めた。ドクターカーの運行は県内の医療機関では5カ所目となるが、24時間、365日対応するのは初。

 赤十字病院は「現場で応急処置などをすることで、患者の状態を把握できる。病院に搬送してすぐに適切な治療を始め、重篤な患者を救いたい」としている。

 ドクターカーは救急車とは異なるが、通行は救急車両扱いとなる。救急車に乗る救急救命士は医療行為ができないが、ドクターカーには医師が同乗。医療資器材も搭載し、現場などでの応急処置やエコー診断などにより、治療方針を決めた上での患者の病院搬送が可能になる。

 県医療整備課は「病院に搬送してから治療方針を決める時間を短縮できる。救命率の向上や後遺障害の軽減などが期待される」と話す。

 119番通報の要請を受けた消防本部の指令センターが、救急車を出動させるのと同時に赤十字病院にもドクターカーを要請。患者を乗せた救急車とドクターが相互に連絡を取り合い、現場やあらかじめ定めた場所で合流する。

 ドクターカーの医師と看護師が救急車に乗り移り、車内で医療行為をしながら赤十字病院へ搬送する。

 運行範囲はさいたま、上尾、北本、桶川、鴻巣、伊奈の5市1町。指令センターが119番受信時に、緊急性の高い胸痛や背部痛、呼吸困難、重傷などの患者と判断した場合、ドクターカーの出動を要請する。

 同課によると、県内では他に4病院(戸田中央総合病院、埼玉医科大国際医療センター、川口市立医療センター、防衛医科大学病院)が各1台ずつドクターカーを所有しているが、医師の体制面などから24時間、365日の対応は難しいという。2014年は4病院で11件の出動にとどまった。

 さいたま赤十字病院の清田和也救命救急センター長は「さいたま市など人口の多いエリアでドクターカーを運行することに意義がある」と話している。

 10年の厚生労働省の調査では、全国では73病院がドクターカーを所有しており、そのうち43病院が24時間対応している。さいたま赤十字病院は17年1月、県立小児医療センター(さいたま市岩槻区)とともに、さいたま新都心(同市中央区)に建設が進められている医療拠点施設に移転する。

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