2016年3月26日(土)

北海道新幹線26日開業、重要性増す大宮駅 乗客が街に出る工夫必要

北海道新幹線の開業が迫り、大型懸垂幕(右奥)や改札口天井の装飾(左)で彩られたJR大宮駅=23日、さいたま市大宮区

 北海道新幹線(新函館北斗―新青森、約149キロ)が26日、開業する。東京駅から直通運転され、さいたま市大宮区のJR大宮駅と終点の新函館北斗駅間を最速3時間38分で結ぶ。昨年3月には、北陸新幹線が延伸開業。大宮駅を経由する新幹線網は北海道・東北方面、北陸・長野方面、新潟方面、そして東京方面へ張り巡らされ、交通結節点の重要性はさらに高まっていく。地元では好機をどのように捉えているのか。可能性と課題を探った。

 「すごいビジネスチャンス。北陸新幹線開業の時と同じように、北海道の商工業関係者と交流したい」。期待を膨らませるのは、大宮東口商店街連絡協議会の新井正男会長(71)。27日には駅東口の銀座通りで記念イベントを開き、街の魅力をPRする。

■北陸新幹線効果は大

 2015年3月14日の北陸新幹線開業では、大宮駅周辺でも効果がはっきり表れた。JR東日本大宮支社によると、大宮駅で乗り換えて東北方面と北陸・長野方面を行き来する乗客数は、北陸新幹線開業前の14年12月〜15年1月と開業後の15年12月〜16年1月を比べると、約2・7倍に増加。新幹線の「V字利用」が大幅に拡大し、大宮駅の役割がさらに増している。同社の柳沢美香営業部長(48)は、「これほど伸びるとは予想していなかった」と驚く。

 オフィスの需要も高まっている。オフィス仲介の三幸エステート(本社・東京都中央区)調べでは、さいたま市内の大規模ビル(1フロア面積約660平方メートル以上)の平均空室率は、北陸新幹線開業直前の15年3月1日時点で4・85%だったが、今年3月1日現在では2・19%に低下。東京23区(3・15%)よりも人気だ。同社広報室の福田晃規さん(45)は「オフィスの供給がもともと少ないこともあるが、北陸方面への玄関口としての利便性が増したからではないか」と分析する。

■駅から出る仕掛けを

 JR東日本大宮支社によると、北海道新幹線の開業を控え、既に旅行商品への問い合わせが増加している。県内や群馬、長野県周辺の住民で、これまで飛行機を使って北海道まで旅行するのをためらっていた客層が、大宮駅乗車で観光目的に利用すると見込む。だが、扇の要としてさらに増す駅の重要性が、地域活性化に直結するとは限らない。ある調査では、大宮駅周辺にある店舗の入店客数が北陸新幹線開業前後でほとんど変わっていないという。

 乗客に駅から出てもらうには、周辺の街が観光やビジネスなどの目的地になることが不可欠だ。さいたま市は4月1日付の組織改革で、東日本交流拠点整備課を新設する。16年度中には、東日本の連携拠点を大宮周辺に開設する方針。昨年の市議会9月定例会では、市執行部が大宮区の市営桜木駐車場に国際シティーホテルなどの誘致を検討したい考えを明らかにした。

 経済や企業の調査を手掛ける帝国データバンク大宮支店の長谷川徹情報部長(61)は「県外の企業や観光客を取り込むことで、初めて交通の結節点としてのメリットが出てくるだろう」と指摘する。高まる需要に応じられる都市機能の整備、街の魅力発掘と発信。官民が手を携えた取り組みが求められている。

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