2016年1月19日(火)

絶滅危惧種のスナヤツメ、ときがわで発見 地元住民「初めて見た」

都幾川で見つかったスナヤツメ(金沢光さん撮影、提供)
都幾川の魚類調査を行う佐藤正康さん(右)=ときがわ町玉川

 ときがわ町玉川の都幾川で整備が進む農業用堰(せき)「宮ヶ谷戸前堰」の魚道工事現場で魚類の生息調査が行われ、環境省と県が絶滅危惧種に指定しているスナヤツメが見つかった。

 地元住民も「初めて見た」という珍魚。県内河川で30年以上にわたり、スナヤツメの調査を続ける県環境科学国際センター主任専門員の金沢光さん(62)は「人の目には触れない魚。不思議な生態にも魅せられた。これからもずっと人間と共存してほしい」と話している。

 スナヤツメはヤツメウナギ科の淡水魚。冷たい清流を好み、富栄養化した汚れた河川では生息できない。河川改修の影響を受けやすく、全国的に住める場所が少なくなっている。

 詳しい生態は分かっていないが、幼魚には目がなく、清らかな水の砂や落ち葉が沈殿した中にもぐりこんで生活する。3年から5年目の秋に変態し、成魚になると目ができる。目の後に七つのエラが黒い目のように見えるのがヤツメの由来。

 成魚になると消化器が退化して何も食べなくなり、成魚になった翌春に産卵して一生を終えるという。

 都幾川で発見されたスナヤツメは成魚で、体長約12・5センチ。金沢さんのこれまでの調査で都幾川で確認できたのは初めて。

 最近の10年間では利根川の3か所(本庄、深谷、熊谷)で確認したほか、2008年冬に飯能市内の入間川、14年冬に坂戸市の高麗川で発見した。高麗川では約30年前にも確認したという。

 金沢さんは「これからもずっと生き延びてほしい魚だ」と述べ、そのためにも環境保全の大切さを訴える。

 今回の調査では、清流に生息するカジカやオイカワ、ウグイなど多様な水生生物25種約700尾を確認。県南部漁協朝霞支部の組合員で、黒目川などでアユの生息調査に取り組んでいる佐藤正康さん(29)らも調査に参加し、「県南部に比べ魚の種類が豊富」と感動していた。

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