2015年10月26日(月)

ヘルシーな天然鹿肉、おいしい新名物に 西秩父地域で販売

鹿肉を使った「元鹿丼」を持つ久津田和枝さん=小鹿野町下小鹿野の「元六小鹿野店」

 秩父地域で捕獲したシカの肉を気軽に味わってもらおうと、小鹿野町や秩父市吉田地区の西秩父地域で「天然鹿のみそ漬け丼」の販売が始まった。

 有害鳥獣による農作物などへの被害が深刻化する中、シカを地域資源として活用する「ちちぶのじかプロジェクト」の一環。野生鳥獣の肉を使ったジビエ料理は「硬くて臭い」といったイメージも付きまとうが、プロジェクトを推進する

 西秩父商工会は「しっかりと処理した鹿肉は本当においしい。西秩父の新たな名物にしていきたい」と意気込んでいる。

 県農業支援課などによると、県内の昨年度の有害鳥獣による農作物被害額は1億4248万円。そのうちシカによる被害額は1664万円で、過去5年間の平均額も約1600万円に上る。シカは昨年度に県内で約1500頭が捕獲され、捕獲数は増加傾向にある。

 同会は2006年度から有害鳥獣として駆除されていたシカの商用化に着手。12年4月から商用化が可能になったが、東京電力福島第1原発事故の影響で、同年10月に秩父市浦山で捕獲されたニホンジカから基準値を上回る放射性セシウムが検出。鹿肉の出荷や販売は自粛となったものの、2回の検査を行うことで昨年10月から町周辺では自粛が解除された。

 これまで同会は「鹿肉のロースト」を開発したが、値段が高く、取扱店も少なかった。手ごろな価格で鹿肉を食べてもらおうと、みそ漬け丼を考案。協力店を募集し、9月中旬から飲食店や旅館など14店舗で提供を開始することに。価格は900〜1200円で、各店が独自に工夫を凝らした形で提供している。

 小鹿野町下小鹿野の「元六小鹿野店」では「元鹿丼」として1200円で提供。みそ漬けの鹿肉を焼いたものと揚げてカツにしたものが入り、2種類の味が楽しめる。「軟らかくて臭みもない」と来店客の評判は上々だ。店主の久津田順一さん(43)も「癖がなく、幅広い世代が楽しめる味」と自信を見せる。

 提供されるシカは全て捕獲から1時間以内に同町の食肉卸販売会社「肉の宝屋」に持ち込まれたもの。処理した鹿肉は地酒「秩父錦」の酒かすと一緒にみそで漬け込むため、野生肉特有の臭みがない。鹿肉は牛肉や豚肉に比べカロリーや脂質が少なく、タンパク質や鉄分を豊富に含んでいる。

 同会の担当者は「鹿肉はヘルシーなので、女性や高齢者、子どもにもぜひ味わってほしい。一度食べてもらえれば、ジビエ料理のイメージも変わるはず」と話していた。

 問い合わせは、同会(電話0494・75・1381)へ。

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