2015年9月28日(月)

「色も楽しんで」お酒でピンク色に変わるお茶、日高市の茶園が発売

「紫貴婦人」の煎茶(右の湯飲み)と、数滴の日本酒でピンク色に変わったお茶(左の湯飲み)

 紫色の茶葉で抽出したお茶に日本酒を数滴、すると美しいピンク色に―。こんな不思議なお茶が28日、日高市の茶園から発売される。発売元の「狭山茶吉野園」(同市森戸新田)は「香りや味と一緒に、華やかな色も楽しんで」とアピールしている。

 同園園主の吉野誠一さん(68)が県茶業研究所の見本園(入間市下谷ケ貫)で栽培していた赤芽の在来種を手に入れたのは20年ほど前。自宅で品種改良に取り組み、2012年に完成した緑茶を「紫貴婦人」と名付けた。

 新芽が濃い紫色なのが「紫貴婦人」の特徴。吉野さんによると、ポリフェノールの一種、アントシアニンを通常の緑茶よりも多量に含んでいるため。健康にも良いとされるが、お湯を注ぐと墨汁を薄く溶いたような色になり、お茶らしい黄緑や緑色が出ないのが悩みだった。

 そんな時、吉野さんの長男で副園主の道隆さん(40)が「紫貴婦人」の入った湯飲みに誤って、おちょこの日本酒をこぼしたことがあった。気付くと湯飲みのお茶はピンク色に。アントシアニンの色素成分が日本酒の酸性に反応したのだった。

 「おしゃれで新しいお茶の楽しみ方になるのでは」。吉野さん親子は製茶方法など試行錯誤を重ね、ようやく商品化にこぎ着けた。

 道隆さんによると、いれ方は簡単。普通の緑茶と同様にお湯で抽出し、冷蔵庫で冷やしてから日本酒を垂らす。お酒を飲めない人は炭酸入りジュースやかんきつ系の果汁を加えたり、レモンやカボスで香り付けしフレーバーティーとしても楽しめる。

 吉野さんは「日本茶を使ったフレーバーティーがはやっているが、紫貴婦人は一歩進んだ『色まで変わるお茶』としてもっと楽しい味わい方を提案できる」と期待する。

 県茶業研究所の小畑幹所長は「日本茶、煎茶は味と香りが重視されるが、さらに色を付けて一歩踏み込むのも面白く、意味がある。若い人の消費にも結び付くのではないか」と関心を寄せている。

 「紫貴婦人」は茶葉30グラム入り1500円(税別)。申し込み・問い合わせは、狭山茶吉野園(042・989・2243)へ。

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