2015年7月3日(金)

三郷刺傷事件 地裁が元少年側に賠償命令、両親の監督責任を認定

 三郷市で2011年、市立中学3年の女子生徒が刃物で刺され重傷を負った事件で、被害者の女性(18)と両親が、加害者の元少年(20)=犯行当時(16)=と両親に慰謝料など計約2700万円の損害賠償を求めた訴訟で、さいたま地裁の針塚遵裁判長は3日、両親の監督責任を認め、元少年と両親に計約1900万円の賠償を命じた。

 原告側は、元少年の両親が暴力系サイトを閲覧制限しなかったり、保管していたナイフなど凶器数十点を取り上げなかったと主張。針塚裁判長は判決理由で、インターネットの使用について「利用方法に一定の制約を設けるべきだった」として、凶器に関しては「十分な管理監督をするべきだった」と述べ、適切な監督義務を怠ったと指摘した。

 さらに、被害女性は傷痕が残り、現在でも夜間に1人で外出できないため、心身に苦痛を負っていると説明。元少年側が事件から1年以上経過してから、わずか7行の手紙を送っただけで、何らの慰謝の措置はないとして、「反省が深まっていることはうかがえない」と述べた。

 判決を受け原告代理人の桑原慎也弁護士は「両親が少年に無制限にインターネットを使わせるなど放任し、加害行為の前兆を見逃した点を根拠に、両親の法的責任を認めている。常識的な判断で評価できる」とコメントを出した。

 元少年は11年11月と12月、三郷市と千葉県松戸市で女子中学生と女子小学生を刃物で刺して負傷させた。殺人未遂などの罪で起訴されたが、さいたま地裁は13年3月、さいたま家裁への移送を決定。同家裁は同月、医療少年院送致の保護処分を決定した。

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