2015年4月2日(木)

ときがわ町、人口減少にあの手この手 「通勤圏のはじ」壁厚く

「結婚して町外へ出ていっても、子どもを産んだらときがわに戻って子育てをしたいという人は多い」と語る関口定男町長

 全国的にも切実な問題となっている人口減少を何とか食い止めようと、ときがわ町はあらゆる対策を進めている。その内容も、子育て支援から教育環境の充実、町民の足の確保までさまざま。

 ただ、山沿いの丘陵地で「通勤圏のはじ」という地理的条件の壁は厚い。関口定男町長は人口減少に立ち向かう上で、国が果たすべき役割を強調する。

■きめ細かな支援

 対策の一環で、町が力を入れているのは子育て支援だ。その幅広さは比企郡8町でも随一。中でも病気や冠婚葬祭などやむを得ない場合の一時預かり保育とは別に、就学前の子を無料で預かる「パパ・ママリフレッシュ事業」はときがわ町独自。育児に疲れたり、息抜きをしたい時に気軽に利用できる。

 予防接種の無料化、不妊治療の独自助成も比企郡の他町では行っていない。関口町長は「(小規模自治体で)小回りが利く分、いろんなことができる」と胸を張る。

■木質化と路線バス

 学校校舎の木質化もユニークな取り組み。建物の骨組みは残して耐震補強を施し、壁や床の表面に木材を貼ることで内装を木質化する「ときがわ方式」は全国的に有名だ。予算も木造校舎を新築する場合の5分の1以下で済む上、木特有のぬくもりが喜ばれている。町内の5小中学校全てで工事をし、全教室にエアコンも設置した。

 通勤通学の足の確保には路線バスを整備。役場第2庁舎脇のセンターから伸びる9路線で町内をカバーする「ハブ&スポーク方式」のバス運行を2010年10月から始めた。小川町、武蔵嵐山、越生の3駅に30分程度で行き来でき、利用者を増やしている。

■目標は100万人

 今年3月現在の人口は1万2038人。合併時(06年2月)より1674人減った。都内へ出るのに約1時間半。バブル期までは人口流入もあったが、近年の都心回帰で減少に歯止めがかからない。

 しかし、関口町長は悲観してはいない。観光客誘致に力を入れ、合併当時は年間60万人だったのが現在は94万人に増加。「目標100万人」の達成が現実味を帯びてきている。

 合併特例債を活用したインフラ整備や、企業誘致も着実に進めている。実質公債費比率(収入に対する借金の割合)が3%程度と県内でもトップクラスの財政も強みだ。

■3人目の子どもを

 それでも町としての取り組みには限界がある。関口町長は人口減少問題に取り組んでいく上で、国の責任を強調する。

 夫婦1組に子ども2人では人口増につながらない。「どうしたら3人目の子を産んでもらえるか、そのフォローは国の仕事」。高校、大学へ進学させるための教育費負担を減らし、産みやすい条件を整えることが肝要だ。「そこのところを国としてどこまでできるか。それが最も大事ではないか」

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