2015年2月5日(木)

「産んでくれてありがとう」 川口・在家小で2分の1成人式

「いのちの授業」で、「陣痛体験」として母親に強く抱き締められる子ども=川口市安行領在家の市立在家小学校
子どもの感謝の手紙を聞く母親=川口在家小学校

 川口市安行領在家の市立在家小学校(竹内まゆみ校長)で3日、10歳になった4年生82人が父母への感謝を述べる「2分の1成人式」を行った。

 町内の埼玉協同病院の女性助産師が出産の様子をビデオで見せながら「いのちの授業」を行い、児童らは父母への感謝の気持を深めた。

 式では、児童らが「育ててくれてありがとう」と家族への感謝の言葉の後に、「菓子職人になる」「美容師になります」など、「10歳の決意」を大きな声で述べた。

 児童代表が「2分の1成人証書」を竹内校長から受けた後、児童らはそれぞれの家族と感謝の手紙を交換した。

 足に障害がある宇佐見颯太君は「ありがとう...、これからは家のことをたくさん手伝えるようになりたい。勉強も運動もがんばる」と書いた。父でさいたま市の消防士、昌彦さん(36)は「感動した。泣けた。この手紙は宝物」と涙を拭った。母の美保さんは「障害が分かった時も、泣いてばかりいてごめんね」と手紙に書いた。

 「いのちの授業」では、助産師の住中美奈弥さんと看護師の加藤香奈さんが講師を務めた。

 母親が陣痛の痛みをこらえる様子や、赤ちゃんが生まれ出た喜びの瞬間を収めた映像を見た後に、母らがわが子を40秒間きつく抱き締める「陣痛体験」を行った。児童らは息を止めて痛みをこらえながら、母のぬくもりを感じた。

 母の胸でじっとしていた沼口胡桃さんは「お母さんが大変だったことが分かった」。山本真子さんは「あんなふうに産んでくれたんだ」。斉藤一颯君は「産んでくれて、とてもうれしい」と、それぞれ母への感謝を語った。

 2分の1成人式は、親による児童虐待、両親がいない子もいるため「慎重に」との意見も教育界にある。在家小では初めての試み。

 授業を企画した竹内校長は「子どもたちが、やがて新しい命を生み出す可能性を自覚し、命を大切にし、責任ある行動がとれる大人になってほしい」と話していた。

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