2015年1月11日(日)

年末年始に不審火相次ぐ 県西部の半径4キロ圏内で8件

2日未明に全焼した志木市幸町3丁目の2階建て納屋。車5台も燃え大きな被害が出た

 昨年12月31日夜から1月2日にかけて、県西部の志木市、富士見市、川越市、三芳町で不審火が8件相次いだ。夜間に人けのない空き家や納屋などから出火した。「夜になると心配」「眠れない」。住民には不安な日が続く。現場は東武東上線沿線の半径4キロ圏内で発生しており、県警は同一犯による連続放火の可能性も視野に捜査を進めている。

■空き家狙い放火か

 自宅の窓ガラス越しに光が見えた。飛び起きて外に出ると、真っ赤な炎が建物を包んでいた。富士見市の農業男性(77)は年が明けたばかりの1日夜、隣接する木造2階建て納屋を不審火で失った。「ぼうぜんとした。亡くなった妻や母親の品がなくなってしまった。新年早々こんな目に遭って悔しい」と男性は語る。放火も疑われていることから、よく眠れない日が続くという。「夜に光が差し込んだり物音がしたりするだけで怖くなる」と話した。

 県警によると、大みそかの深夜に志木市本町と860メートル離れた同市柏町2丁目で2件。1日夜には午後7時20分ごろから未明にかけて、川越市清水町、富士見市上沢1丁目、同市針ケ谷2丁目、志木市幸町3丁目で空き家が全焼するなど4件発生した。2日夜にも川越市清水町、三芳町藤久保で2件、いずれも空き家や納屋などの不審火が相次いだ。

 いずれも東武東上線志木駅から上福岡駅までの沿線一帯で発生。夜間の犯行とはいえ人目に付く現場もあった。県警幹部は「これだけ同じような時間帯で空き家や納屋を狙う犯行が連続発生している。断定はできないが、同一犯の可能性が高い」と放火容疑を視野に入れる。

 志木市幸町3丁目では2日、納屋が全焼した。近所の男性(30)は午前1時ごろ、火事に気付いたという。「火が屋根の上まで上がっていた。とにかく夜になると不安。火事は一瞬で全てがなくなってしまう」と明かす。「年末までは消防署と消防団が警戒パトロールをしていた。手薄な正月が狙われたのかも」とも言う。

 車庫の一部が燃える火災があった三芳町藤久保地域。自治会役員の男性(58)は今回の火災を機に、目が行き届かない暗い道を重点的に回るという。「住民に注意を促し、燃えやすいものは家の中にしまうように呼び掛けている。パトロールを継続することが犯罪抑止につながる」と指摘する。

 相次ぐ不審火に警察、消防、地元消防団や自治会などが警戒を強化。3日以降、地域で同様の火災は発生していない。県警は相次いだ火災8件について出火原因の特定を急ぎ、捜査を進めている。

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