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道の駅を活用した笑顔あふれる地域づくり埼玉「道の駅」シンポジウム

2018.3.17

地域活性化の拠点として期待されている道の駅の今後の可能性について考えようと、「埼玉『道の駅』シンポジウム」(埼玉新聞社主催、国土交通省関東地方整備局大宮国道事務所、県など後援)が2月21日、さいたま市中央区のラフレさいたまで開かれた。第1部では草加市出身の女優、森尾由美さんとゼンリン『道の駅旅案内全国地図』編集長の守屋之克さんによるトークセッション。第2部では2人に加え、真鍋伸次埼玉りそな産業経済振興財団産学官連携推進室長、宮ア善雄吉見町長、大儀健一国土交通省関東地方整備局大宮国道事務所長を迎えてパネルディスカッションが行われた。「地域や駅同士の連携、情熱が活性化の原動力」といった熱い意見に約400人の来場者は熱心に聞き入った。

  • 主催
    埼玉新聞社
  • 後援
    国土交通省関東地方整備局大宮国道事務所、埼玉県、さいたま市、「道の駅」埼玉県ブロック連絡会、テレ玉、FM NACK5、株式会社ジェイコムさいたま

トークセッション


守屋之克氏×森尾由美氏

賢い「道の駅」の活用術と一度は行きたいオススメ「道の駅」

「食べる」「見る」「遊ぶ」、道の駅の進化が止まらない

 森尾さんは「家族旅行でもロケに行くときでも、途中で楽しめて、休憩もできて、地元を感じられる、とてもお得感のある道の駅が大好き」と魅力を語った。テレビのロケで全国各地を訪れる森尾さんは撮影の合間に近くにある道の駅を訪れるほどのファン。家族と一緒に遠出するときは必ず道の駅を通るルートを選ぶという。「老若男女が幅広く楽しめるアイテムがたくさんあるので、両親も喜びますし、子どもたちも楽しめます。なので、目的地に行くのが遅れてしまうこともしばしば。それだけ、もっと居たいと思う駅がたくさんあります」。

丸一日楽しめるテーマパーク型施設も

 道の駅の達人、守屋さんは、いまや道の駅が目的地化していることを指摘。「途中、休憩で立ち寄るのではなく、道の駅を目的にやってくる人が増えてきました。実際、テーマパークのような道の駅もあり、半日、あるいは丸一日楽しむこともできます。宇都宮市のうつのみやろまんちっく村や神戸市の神戸フルーツ・フラワーパーク大沢などは広大な敷地内にいろいろな施設が建ち並び、『食べる』『見る』『遊ぶ』『ショッピング』が満喫できます」と紹介した。

地域情報の発信地

 近年では全国各地に体験型施設が増えており、森尾さんは秋田県鹿角市の道の駅かづので体験したきりたんぽ作りの思い出話を披露。「作って、焼いて、食べました。おいしかった?(笑)。子どもたちにとっても貴重な体験になりますね」と語った。このほか、守屋さんが山梨県北杜市の道の駅こぶちさわのそば打ち、パンづくり体験、石川県珠洲市の道の駅すず塩田村の揚げ浜式の塩づくり体験などをスライドで紹介。「道の駅は地域情報の発信地でもあるので、その地域ならではの文化に触れてもらいたいという思いがあるのでは」と分析。山形県長井市の川のみなと長井では、道の駅を起点に町中散策してもらおうと無料のレンタサイクルを行っている好事例も報告された。

イチ押しの道の駅は

 森尾さんは北海道木古内町の道の駅みそぎの郷きこないを挙げ、「ここの塩ソフトクリームは絶品。ミネラルたっぷりで冬場でもおいしくいただけました。長い行列ができていましたよ」と話した。守屋さんは特定の道の駅ではなく、郷土の和菓子を置いている道の駅を推薦。「和菓子づくりは手間がかかるので地元の方が作るものは道の駅と地域が良好な関係にないと店頭には並びません。郷土和菓子が並ぶ道の駅は運営がうまくいっている駅と言え、地域の情報が上手に発信されています」と専門家ならではの視点を披露した。

楽しいトークを繰り広げた森尾さん(中)と守屋さん(右)ら
テレビ番組のロケで、杉戸町の道の駅「アグリパークゆめすぎと」を訪れた森尾さん(左から2人目)=スターダストプロモーション提供

パネルディスカッション


官民の連携こそ地域再生のカギ

大儀健一氏国土交通省関東地方整備局
大宮国道事務所長

宮ア善雄氏吉見町長

真鍋伸次氏(公財)埼玉りそな産業経済振興財団
産学官連携推進室長

守屋之克氏ゼンリン『道の駅旅案内全国地図』編集長

森尾由美氏女優

関根正昌コーディネーター
埼玉新聞社常務取締役編集担当

普段使いか、観光客向けか、軸が定まらない県内傾向

 ─道の駅制度が施行されてから25年が経ちました。いろいろな意味で道の駅の存在感が高まっています。今日は皆さんに県の抱えるさまざまな地域課題を解決し、地域を元気にするヒントをお話しいただければと思います。最初に県内の取り組み事例について、吉見町の宮ア町長からご紹介いただけますか。

 宮ア 吉見町は人口2万人弱の小さな町。国指定史跡「吉見百穴」が有名で、県内有数のイチゴの産地として知られています。東に荒川、西に市野川が流れ、昔から河川の氾濫(はんらん)に悩まされました。半面、肥よくな大地を生み、農業が発展。昭和30年代から吉見いちごの栽培が始まりました。道の駅いちごの里よしみの物産館では吉見いちごを使ったさまざまなスイーツなどを販売しています。また、JAの農産物直売所が併設され、開店の2時間前から吉見いちごを買い求めるお客さまが長蛇の列を作っていただくほどの人気です。

 ─吉見町以外にも県内には特色のある道の駅がたくさんあると思いますが、守屋さんからご紹介いただけますか。

 守屋 近年、道の駅を取り巻くトレンドを見ると、「目的地化」「リニューアル」「リノベーション」の3つに分類できます。収穫体験のできる道の駅は目的地型に近く、いちごの里よしみのほか、杉戸町のアグリパークゆめすぎとが有名です。温泉のある道の駅は秩父郡市に多く、両神温泉薬師の湯、大滝温泉などが温泉施設を併設しています。リニューアルでは深谷市のはなぞのが昨年(2017年)改装オープン。リノベーションという意味では県内で一番新しい駅、東秩父村の和紙の里ひがしちちぶが既存の建物に新たな施設を付加する形で道の駅に新登録されました。こちらでは和紙の紙すき体験ができます。

 県内には全国の有名な駅と肩を並べるような特色のある駅が多く、まだまだ伸びていく余地があると思います。ただ、印象に残らないということは、他県に比べて魅力が十分に伝えきれていない。県内の道の駅に共通している点ではないかと思います。

 ─真鍋さんは産業振興、特に農業政策に詳しいですが、県内の道の駅に共通する特性(課題)をお話しいただけますか。

 真鍋 道の駅には観光客向けの飲食サービスや特産品の加工販売、地域住民向けの物販という役割がありますが、県内の場合、基本的な方向性に迷いがあり、地域色が薄く近隣のスーパー(量販店)との差別化がはっきりしないケースも見受けられます。地域の人にもっと愛着を持ってもらう道の駅を目指すのか、東京から近いのに武蔵野の豊かな田園風景が残っているロケーションを売りにするのか、その辺りを磨き上げていくことが必要ではないでしょうか。

 ─国のお立場で大儀所長はどう思われますか。

 大儀 地域住民に生活サービスを提供している道の駅の事例をご紹介します。1つ目は両神温泉薬師の湯で、秩父地方の小鹿野町にあります。日本百名山の両神山のふもとにあり、年間通じて多くの観光客が訪れます。実は高齢者に福祉サービスを提供する福祉拠点としての顔も併せ持っています。温泉施設は一般のお客さまも訪れますが、高齢者のサロンのようにお使いになっています。併設する地域資源活用センターでは高齢者の指導でうどん打ちや豆腐づくり体験ができ、同じく併設している高齢者生活福祉センターの1階はデイケア施設、2階は山間部の高齢者が冬場に一時的に滞在できるようになっています。また、町営バスを走らせて道の駅を利用しやすくしています。小鹿野町は健康長寿の町を目指していて、後期高齢者の一人当たりの医療費は県内で一番少ないのですが、道の駅が一役買っています。

 2つ目は春日部市の国道4号バイパス沿いにある道の駅庄和。百畳敷の大凧(おおだこ)を揚げるお祭りで有名な地域で、道の駅の正面玄関にも大凧が掲げられています。今、地域住民へのサービスとして宅配ボックスを置く社会実験に取り組んでおり、春日部市内を宛て先とする宅配便を対象に24時間受け取り可能なサービスを提供しています。

 一般的に観光や旅行で道の駅を利用される方は多いと思いますが、地域住民の生活を支援する拠点としても活用されている好事例であり、他の駅にも良いヒントとなるのではないかと思います。

誇りに思える施設がまちへの愛着心を醸成

 宮ア 次のテーマに移る前に、特産品の吉見いちごと道の駅で販売している吉見いちごを使ったスイーツ(いちご生どらやき)をお持ちしましたので、ぜひ皆さんにご試食をいただければと思います。

 (パネリスト、コーディネーターで試食)

 森尾 どちらも、とても甘くて、おいしいですね。生どらやきは見た目もいいし、インスタ映え≠キるので、若い人たちにも人気を呼びそう。

 ─インスタ映えは今や観光スポットのキーワードですね。吉見町は本当にイチゴ関連の商品が多い。いただいた資料を拝見して、いちごカレーうどんがあるのに驚きました。

 宮ア 私たちの町では吉見いちごを使った商品開発を行い、売れるものは継続し、売れないものはやめ、新しいものにチャレンジすることにしています。

 真鍋 いまお話に出た、いちごカレーうどんを私も食べたことがあります。評価は分かれると思いますが、チャレンジングな姿勢が伝わってきました。今のうちに食べに行かれると良いですね。

 ─町長と真鍋さんの話を総合すると、そのうどんの行く末が想像できました(笑)。素晴らしいプレゼントがあったところで、本題に戻ります。真鍋さん、地域の活性化につながった好事例をご存じですか。

 真鍋 先駆的な事例として群馬県川場村にある道の駅川場田園プラザをご紹介します。「家族で一日楽しめる」をコンセプトにしたテーマパーク型施設の先駆的存在です。園内にはファーマーズマーケットをはじめ、ビール工房、地ビールレストラン、ベーカリー、ミルク工房、そば処などさまざまな施設があります。親子で遊べるプレイゾーン、ブルーベリー公園、工作体験のできる工房、陶芸教室などもあり、近くには田園プラザを訪れる人向けのホテルも建てられ、2015年、観光庁の長官表彰を受けました。地域の名産品を提供し、地域のゲートウエイ(出入口)として観光案内機能を持たせたことで、道の駅そのものが目的となる新たな観光ニーズを創出しました。

 しかし、これらの仕組みがすぐにできあがった訳ではない。今から30年以上前に農業プラス観光で何かできないかと考えていたところ、(東京都)世田谷区で地方に休暇村的なものを作りたいという構想が立ち上がった。それがうまくマッチングして交流事業がスタートしたのがきっかけです。世田谷区の人たちの外部の目が入ったことで、隠れていた魅力が発掘され、田園プラザの原型が生まれました。結果として地域の活性化につながっただけでなく、村民が誇りに思える施設となり、村への愛着心が醸成された。この辺が注目していただきたいポイントです。

 ─一朝一夕で、できあがった訳ではないのですね。

 真鍋 はい、区民健康村から出発して、広く世田谷区の人にもお土産を買ってもらいたいということもあり、特産品の開発が始まりました。こちらの開発の際も世田谷区民との交流やアドバイスを通じて地域の魅力に気付き、磨かれていったのだと思います。

 ─確かに自分では気付かない魅力を他者から指摘してもらうのは大切だと思います。宮ア町長、現在の吉見町の課題は何かありますか。

 宮ア 吉見町は鉄道の駅も国道もありません。大きな商業施設もありません。何もないと言って良い。だからこそ、道の駅を拠点とした町づくりがしやすいのではないかと思います。道の駅では2015年度から立教大学観光学部と連携したさまざまな事業を展開しています。学生のアイデアをもとに町のB級グルメとして「あぶら味噌うどん」、吉見いちごの果汁を使って小川町の和紙を染めて作ったランタン、イチゴ染めのタオルなどを開発しました。毎年、多くの立教大学の学生に協力をいただきながら、昼間は子どもたちと水かけ祭り、夜は手作りランタンに火を灯して交流しています。

自動運転サービスなど新たな社会実験も

 ─大儀所長、国土交通省の立場から地域の課題に対してどのように道の駅を活用していくお考えですか。

 大儀 いま、お話のあった道の駅と大学との連携は、国土交通省が進めている施策の一つです。若者ならではの視点やSNSによる情報発信も期待できますし、地元住民が気付かない地域の魅力や資源を発掘してくれるかもしれません。

 地域の課題に対して道の駅をどのように活用するかという点についてほかにも3点ほどご紹介します。

 1つ目は大災害が発生したときの防災拠点として活用することです。2004年10月の新潟県中越地震で道の駅の会議室や駐車場を避難場所として活用し、被災地情報を発信しました。小千谷市(新潟県)の駅の温泉を無料開放したり、十日町(同)の駅では駐車場に仮設住宅を建設したこともありました。そうした実績を生かし、道の駅を防災拠点として位置づける取り組みが進んでいます。

 2つ目は高齢化が進む中山間地の日常の移動手段の確保という課題に対して、道の駅を拠点とした自動運転サービスの社会実験が全国で実施されています。全国の中山間地域の約半数に道の駅が設置されており、その4割の駅周辺には病院や役場があります。道の駅が中山間地の中核となり、ここを拠点に自動運転の車が各集落を結ぶことになれば、高齢化が進む中山間地の日常の足になるでしょう。

 3つ目は高速道路と道の駅の連携です。高速道路を一度降りて近くの道の駅に寄り道しても1時間以内であれば高速料金に影響しないという社会実験が全国20カ所で行われることになっています。高速道路利用者の休憩所として活用することで、道の駅の活性化にもつながるのではないかと期待されています。

 ─守屋さん、道の駅の活用法として他県の参考事例はありますか。

 守屋 観光庁の統計によると、県内の観光動向は99%が日帰り利用です。やはり日帰り旅行に特化した魅力づくりが重要だと思います。

少し変わった道の駅の活用法として自転車を使った事例があります。広島県と愛媛県を結ぶしまなみ海道という路線に道の駅が何カ所かあります。それらが広域連携して自転車で道の駅を巡りながら観光をしてもらおうという取り組みです。国内の自転車愛好家もたくさん走っていますが、海外からも瀬戸内海の景観を楽しめるということで大勢の観光客が訪れています。

 ─ここまでいろいろな意見やアイデアを伺ってきましたが、森尾さんなりに埼玉県の道の駅の魅力をどう発信すれば良いと思いますか。

 森尾 ずっとお話を伺っていて残念に思ったのが、これほど魅力的な道の駅がたくさんあるのに、まだまだ多くの人に知られていないことです。地域密着、観光、体験、温泉など、行ってみたい道の駅の要素がそろっているのに…。それに、地元の魅力に地元の方が気付いていないことです。地方ロケに行くと「近くに良いところはありませんか」と聞くようにしていますが、必ずといって良いほど「ない」と返事が返ってきます。でも、実際に散策してみると、すてきな神社や公園、サイクリング道路があって。

 私は番組のロケでアグリパークゆめすぎと(杉戸町)に伺ったことがありますが、旬の野菜の収穫ができて、そのまま買って帰ることもできる。このような体験ができるのは、私自身も楽しいですし、今度は子どもを連れていきたいと思いました。

 でも、道の駅でそんな体験ができるなんて、番組関係者から聞くまでは全然知りませんでした。やはりマスコミの力を使ったり、SNSや口コミを通じて若者の気を引くような情報が徐々に広まっていけば効果的だと思います。

リニューアル後、売り上げが8割増加の施設も

 ─皆さんのお話を伺っていて、2つの目標が見えてきました。1つは道の駅の目的地化です。休憩やトイレ需要は当然ありますが、これから目指すのは観光スポットとしての道の駅です。それを目指すことで観光振興や産業振興など大きな効果が出てくるのではないでしょうか。特産品や名物などを充実させることは当然のこととして、付加価値として体験型施設を目指すのも良いし、温泉施設や大学との連携も考えられます。

 2つ目は地域の拠点にするという目標です。防災拠点、高齢化が進む町のデマンド交通といった文字通りの駅化、同じく高齢者向けの自動運転、宅配ロッカーを置いて生活支援の拠点とするなど地域の核としての機能が求められていることが分かりました。

 次に地域を元気にする道の駅の上手な活用方法について、守屋さんからご提案をお願いします。

 守屋 全国的に見ても道の駅だけ頑張ってもダメ。自治体がしっかり道の駅をサポートしているところは本当に元気がある。やはり自治体との連携が不可欠です。

 道の駅も設置が始まってから25年経ち、建屋、トイレも含めて老朽化の問題が出てきました。深谷市の道の駅はなぞのは昨年リニューアル。隣接するJAもリニューアルして、施設一帯がキレイになり、お客さんも非常に増えています。はなぞのの2階には「ふっかちゃんミュージアム」があり、マスコットのふっかちゃんのグッズなどを販売。若い女性や子どもたちが、ふっかちゃんのぬいぐるみなどを買い求めています。リニューアル前に比べて売り上げ額が8割増、購入者数は倍になりました。リニューアル効果は大きいですね。

 ─吉見町では何か悩みはありますか。

 宮ア 今、いちごの里よしみには年間約110万人の方が訪れています。現在、道の駅のトイレの改修工事と情報発信拠点の施設整備工事を行っています。今後は、慢性的な駐車場不足の解消が急務になっています。また、イチゴを中心にした観光、産業振興を図るにしても農家の高齢化や後継者不足といった根本的な課題もあります。

 ─真鍋さんは、道の駅がさらに発展するための改善策は何だと思いますか。

 真鍋 産業振興の本来の目的は地域住民の豊かさの実現で、経済的豊かさ(売上拡大)も大切ですが、一方で心の豊かさをどうするか。田園風景や自然の癒し、コミュニティー、郷土愛、地域食文化などの価値観がキーワードになりますが、東日本大震災以降、そうした潜在ニーズが高まっています。

 道の駅は休憩所という「箱」のイメージがありましたが、今後は地域の産業振興の担い手としての役割が求められます。そのためには交流や連携が大事です。今まで地域資源で良いものがあるのに気付かなかった。ところが、第三者や東京に行って戻ってきた人により多くの気付きが生まれ、地元の人たちの協力を得て地域活性化につなげているケースも出ています。行政だけでなく、地域の人、企業、例えば地場の食品メーカーや農家などを巻き込んで地域をどのようにしたいのかを考え、課題や方向性を共有しながら取り組んでいくことが大事だと思います。

 そのような交流や連携の取り組みが心の豊かさであるコミュニティーや郷土愛の醸成にもつながる。さいたま市ではパスタの消費量が日本一ということで、本物の食材を求める人がいてヨーロッパ野菜の生産者が増えています。伝統野菜がなくても地域の食文化は創ることができる。その活動が郷土愛を育んでくれると思います。

 ─森尾さんは、今の皆さんのご意見を聞いてどう思われますか。

 森尾 やはり若者との連携は非常に大切ですね。損得勘定なしの斬新なアイデアを持っていると思いますし。また、地元小学生の社会科見学に道の駅を組み入れて、地元の特産品を見せて郷土愛を養っていくのも大事だと思います。子どもたちにとっては自分の町が一番ですから、自分の町のイチゴが世界一と覚えていけば、将来、地域の担い手となり、世界に向けて自分たちの地域情報を発信してくれるかもしれません。

成功事例を共有するのが大事

 ─大儀所長、今までの議論を踏まえて、国の展望をお話しください。

 大儀 全国に1134の道の駅がありますので、成功事例を共有していくことが非常に大切で、国土交通省では住民サービスや地域交通といった地域のテーマごとに、モデルとなる道の駅を選定しています。

連携といった意味では産学官の連携だけでなく、隣りの道の駅同士、例えば同じ国道沿いの道の駅などがお互いに連携して良さを発信していく。そうすることで発信力を高めて、ほかの地域の方々に知っていただくことにもつながると思います。

 ─今日の皆さんのお話で道の駅が地域活性化にとても有効だということを改めて痛感しました。国土交通省には情報交換や事例紹介、道の駅同士の連携などで引き続き支援をお願いします。

 最後に一言ずつお願いします。

 森尾 今までは単に買い物やテーマパークのように道の駅を利用させていただきましたが、皆さまの熱い思いをお聞きして、今後は有り難く利用させていただきたいと思います(笑)。

 守屋 私も道の駅の一ファンです。埼玉県の道の駅が一つでも記憶に残る存在となるように願っています。

 真鍋 私も含めて地元住民が道の駅を良くしていこうという気持ちを共有し、利用することが地域振興にとって、とても大切だと思います。

 宮ア 今日はさまざなま貴重な意見をお聞きして、道の駅を拠点にしたまちづくりを進めたいと思いました。今後も何かお気づきの点がありましたらお気軽に情報をいただきたいと思います。

 大儀 自治体にとって道の駅は重要なインフラの一つで、その活用においては、地域の皆さまの熱意やアイデアが原動力となります。ソフト・ハードの両面から取り組みを支援し、共に考えたいと思います。

 ─ありがとうございました。

道の駅パネル展&PRコーナー

 当日は会場前のホワイエ(ロビー)で県内20の道の駅の取り組み事例を紹介するパネル展や人気道の駅4駅(いちごの里よしみ、はなぞの、おかべ、庄和)のPRコーナーが登場。地元の特産品を使ったお土産品などが並び、大勢の来場者でにぎわっていた。深谷市のご当地キャラクターふっかちゃん、吉見町の同よしみんも一日応援隊としてかけつけた。

道の駅の役割などをパネルで紹介

ユニークな特産品は来場者に人気を呼んだ

ふっかちゃん

よしみん

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