埼玉新聞

 

【NEOインタビュー㉒】バイオ研 乳酸菌研究で未病目指す 日高市

  • 「乳酸菌の力で病気にならない体づくりを目指す」と話す渡辺卓巳所長=日高市のバイオ研本社研究所

    「乳酸菌の力で病気にならない体づくりを目指す」と話す渡辺卓巳所長=日高市のバイオ研本社研究所

  • 「乳酸菌の力で病気にならない体づくりを目指す」と話す渡辺卓巳所長=日高市のバイオ研本社研究所

 静岡県立大大学院を修了後、製粉会社などを経て、2017年にバイオ研に入社。学生時代から「がんの早期発見」について研究するなど、人間の健康に関心を持っていた。「研究を続ける中で、微生物の領域に可能性を感じ、強い関心がありました」と所長の渡辺卓巳さんは振り返る。バイオ研の会長から誘いを受け、乳酸菌の世界に飛び込んだ。

 同社では、企業から依頼を受けて、依頼内容に合った乳酸菌を、由来や効能などから選定。乳酸菌の発酵に最適な環境(培地)を作って培養し、集めて乾燥・粉末化させたものを企業に納品する。これまで開発した乳酸菌はおよそ20種に上る。菌によって好む栄養素や温度、水素イオン濃度指数(pH)が大きく変わるので、それぞれの菌に適した培地が見つかるまではトライアンドエラーの繰り返しだ。時には、菌が好む水のために製造工場を変えるという。

 「菌は気まぐれなので、似ている菌でも、好む環境は変わります。一つの菌を培養するのに、長いものでは2~3年はかかりました」と苦労を明かす。それでも、培地を見つけ出すノウハウと地道な探究力が同社の強みとなっている。

 バイオ研では乳酸菌の塊を分解する、独自の「ナノ化処理」技術で特許も取得。菌に処理を施すことで、人体への吸収効率が向上する。今後は、同技術の欧米圏への展開も進めていく予定だ。

 同社は現在、東北大学と乳酸菌による傷の治癒効果について共同研究を進める。乳酸菌は種類も可能性もまさに無限大。「乳酸菌の力で病気にならない体づくりを目指していきます」

■私を支える 「スタッフとの絆」

 一朝一夕では終わらない乳酸菌の開発。「研究は一人ではできません」と語る渡辺さんを支えるのが、スタッフの存在だ。

 現在、社内で研究に携わるのは5人。少ない人数だからこそ、積極的なコミュニケーションを意識する。スタッフには口頭で指示するだけでなく、自身も実験現場に参加するようにしている。徹底した現場主義が乳酸菌開発の成功につながっている。

 「小人数なので研究の方向性をメンバー同士で統一できています。成果が出るのは、スタッフのおかげです」と笑顔で感謝を口にした。

【企業概要】2004年10月設立。乳酸菌原料の研究や開発を手がける。機能性食品の分野を中心に、一部化粧品への用途にも対応する。製造パートナーと連携し、開発・研究から製造まで一貫した体制を取る。日高市高麗川2の1の3。電話0429・78・7208。

【プロフィル】渡辺卓巳(わたなべ・たくみ) 名古屋市出身。49歳。静岡県立大学大学院・生活健康科学研究科・食品栄養科学専攻修了。趣味のゴルフは、週に1度の打ちっ放しで腕を磨く。

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