【東京ウオッチ】時代超えアーティストたちと対話するプリントの数々―ウニッコ柄や歴代ドレス、都庭園美術館に並ぶ いまのTokyoをつかむイベント情報(31日~11月8日)
◎今週の一推しイベント
【31日(土)】
▽「マリメッコ展 模様のちから―Marimekko:Art of Printmaking―Beauty,Dream,Love」(~12月20日、港区)
フィンランドを代表するデザインハウス「マリメッコ」の創造性と魅力をひもとく展覧会が、白金台の東京都庭園美術館で開かれている。
1951年に創業、鮮やかな色彩と大胆な模様のプリント製品で、第2次世界大戦後の暗い社会に明るさを取り戻した。さまざまなデザイナーと協働し、女性の身体を解放するゆったりした衣服やファブリック作品の制作を続けている。
アール・デコ装飾を基調とした旧朝香宮邸(本館)に、初期から現代までのドレス60点以上やカーテン、クッションなどを展示した。マイヤ・イソラさんによる1964年の名作「ウニッコ」柄の衣服や、脇阪克二さんが図案をデザインしたドレス「アウエル」などを紹介。アンニカ・リマラさんによる60年代のドレスは、クラシックとモダンが同居するデザインで、親しみやすさを感じさせる。
制作年代順に並べず、色やパターン(柄)ごとに展示構成した各室内で、作品のタイムレスな魅力を伝えている。クリエーティブディレクターのレベッカ・ベイさんは「創造性にあふれたプリントの数々が、会場やアーティストと対話するユニークな情景を楽しんでほしい」と語る。
創業以来、ヘルシンキの自社工場では、スクリーンプリント(型染め)の工程で、あえて柄のずれやにじみを残してきた。現在もデザインに、手仕事の温かみや人の存在感を生かしている。「近くで観察すると、デザイナーの筆の揺らぎで生まれた不規則な模様を布に落とし込む、職人の高い技術力を感じられる」と担当学芸員。
ファッションブランド「ミナ ペルホネン」のデザイナー皆川明さんによる大型インスタレーションも展示。大胆に切り出したファブリックの円環を鎖のようにつなぎ合わせ、デザインが持つ永遠性と未来性を象徴した。皆川さんは「アーティストたちのデザインヘリテージを世界中に伝えるマリメッコの素晴らしい活動を実感してほしい」と話した。
○そのほかのお薦めイベント
【31日(土)】
▽「GOKITA RECORDS 五木田智央の妄想レコードジャケット」(~11月8日、港区)
国内外で活躍するアーティスト五木田智央さんの新作展が、南青山の「アニエスベー ギャラリー ブティック」で開催されている。
五木田さんは1990年代後半以降、「YMO」をはじめとする数多くのミュージシャンのレコードやCDジャケットを手がけてきた。今回は、わずか1~2カ月で制作したという、実在しないレコードの「妄想ジャケット」110点を展示。アントニオ猪木さんの姿や海外の古い写真など関連性のないモチーフを使い、コラージュ、油絵、水彩画など多彩な手法で表現した。
ギャラリーディレクターの古宇田リヴォー朱美さんは「イラストやマンガ、プロレス、レコードといったサブカルチャーへの深い知識と愛着が、バラエティーに富んだ作品を短時間で生み出すエネルギーになったと思う」と語る。
描かれたモチーフは楽曲を特定させるものではないが、海に浮かぶヨットから昭和歌謡、ピンク色を基調としたコラージュからはジャズやボサノバなど、見る人にさまざまな音楽を“妄想”させる。ジャケットのアート性を追求する五木田さんの姿勢が表現されており、レコードジャケットとして楽しめる一方、絵画としても独自の強度を備えている。
「幅広い年齢層が訪れている。五木田さんファンの美術愛好家が音楽に興味を持つ一方、音楽好きの若者がアートに触れる機会にもなっている」と古宇田さん。会場では公式図録として雑誌「A WORK OF ART VINYL」の最新14巻も販売中。
▽「EcoSmart Fireが展示会」(~11月30日、港区)
オーストラリア発のバイオエタノール暖炉のパイオニアブランド「EcoSmart Fire(エコスマートファイヤー)」の新作暖炉「Halo(ヘイロー)」が発売され、南青山の東京ショールームで、炎を囲む日常を体験できる展示が行われている。
プロダクトデザイナー柴田文江さんとの共同開発で生まれた新作。ビルトインではなくポータブルで、マンションや賃貸住宅でも手軽に使え、テラスなどに持ち運べる。子どもが火に手を触れないよう注意は必要だが、発生するのは水蒸気と二酸化炭素のみで煙やすすが出ない。環境へのやさしさも特徴だ。
イタリアブランドとのコラボによるソファから日本メーカーの体温計まで多様な製品をデザインしてきた柴田さんは「日本の平均的な住空間に、植物由来のバイオ燃料の暖炉を取り入れる工夫を凝らした。透明なガラスに囲まれた炎を見て、心を癒やしてほしい」と話す。
会場空間をデザインしたインテリアスタイリストの作原文子さんは「軽快なデザインで、インテリアにも、家族のコミュニケーションツールにもなる。これからの季節、親子でくつろぎの時間をもってほしい」と話した。
【11月3日(火)】
▽「これからの『新書』の話をしよう」(15時~、豊島区、事前予約制)
光文社新書の創刊25周年を記念したスペシャルイベントが、ジュンク堂書店池袋本店で行われる。
進行役は編集部員と書店員。作詞家・小説家の児玉雨子さん、マルチタレントの佐伯ポインティさん、哲学者の谷川嘉浩さんをゲストに迎え、新書でしか書けないテーマや、10年後の展望、新書価格などについて本音や裏話を聞き出す。
愛読者はもちろん、新書になじみのない人まで楽しめる内容という。3~30日にオンライン配信も。













