埼玉新聞

 

【NEOインタビュー⑬】でこぼこ書店 本屋×教育で地域拠点に 埼玉県さいたま市中央区

  • 【NEOインタビュー⑬】でこぼこ書店 本屋×教育で地域拠点に 埼玉県さいたま市中央区

    本屋として、塾として地域の拠点を目指す 店主の富井弥さん=さいたま市中央区上落 合7丁目

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 本屋なのに塾を開いている。さいたま市中央区の「でこぼこ書店」では、本を通じて人が集まる場所を提供しつつ、主体性を育む塾を経営している。

 「本はいろいろな経験をさせてくれる。懐が豊か」と本の魅力を語る店主の富井弥さん。地域の本屋さんを目指し、2023年11月に住宅街の一角に店を構えた。1階には新書、2階には古本コーナーや貸しスペースがある。新書は「お客さんを思い浮かべながら仕入れている」という。

 貸しスペースではテーマに沿った本を紹介し合う「読書会」を定期的に開催している。自身が気に入った本を他の人に紹介する様子は「人柄が表れ、自己紹介をしているようだ」と表現している。

 大学職員の経歴もあり、就職活動の支援をする中で大学生と接して感じたのは「自分で決めるという主体性が社会で求められる」ということ。早い段階から自分で決める経験をしてほしいとの思いから、24年3月から小中学生を対象とした塾を開始。国語教室、学習サポート、プログラミング教室を行っている。「自分の思っていることをアウトプットする」「ヒントだけを与えて答えは自分で決める」ことなどを意識して主体性を育んでいる。

 オープンして2年半がたち、本が好きな人が交流するコミュニティースペースになった。「本が好きな人は多いが、本が好きな人が集まる場所は意外と少ない」と新たな気付きもあった。「学校でも家でもない居場所をつくっていきたい」と意気込んでいる。

◆私を支える「本の懐の深さ」

 「本の懐の深さに支えられてきた」と語る富井さん。つらい時には慰めるような本を読んで前向きになり、笑いたい時には笑える本を、学びたい時には知識の宝庫にもなる。心がどんな状態でも、自身に合った本が必ずあるのが本の魅力だ。

 本を読んでいる間は本の中の世界を疑似体験でき、日常では体験できないような刺激を得ることができるのも魅力の一つだという。さらに、活字本だけが本ではなく、本は読みたいが活字を見るのがつらい時には写真集を見て前向きになることもできる。本に秘められた無限の可能性に胸を躍らせている。

【会社概要】2023年11月にさいたま市中央区にオープン。本屋として新書、古本を扱う傍ら、小中学生向けの塾も経営する。平日は正午~午後7時、土日祝日は午前10時~午後6時。月、火曜定休。さいたま市中央区上落合7の10の39。問い合わせは(decoboco.books@gmail.com)
【プロフィル】富井弥(とみい・わたる) 山形県生まれ、蓮田市育ち。大学卒業後、生命保険会社、大学職員などを経て2023年11月に書店をオープンした。
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