埼玉新聞

 

埼玉でクマ出没、過去最多を上回るペース…9月末で95件 餌のブナは凶作 猟友会の男性が引っかかれ負傷も 冬にかけ人里に現れる恐れ 知事「身近な場所で遭遇する可能性高まる」

  • クマへの注意を呼びかける大野元裕知事=20日午後、県庁

    クマへの注意を呼びかける大野元裕知事=20日午後、県庁

  • 【地図】埼玉県(周辺アリ・広域)(直し)

    埼玉県

  • クマへの注意を呼びかける大野元裕知事=20日午後、県庁
  • 【地図】埼玉県(周辺アリ・広域)(直し)

 埼玉県は20日、ツキノワグマの出没予測などに活用するため、クマの餌となる堅果類(ドングリ)の豊凶調査を実施した結果、コナラとミズナラは並作で、ブナは凶作だったと発表した。昨年度のコナラは凶作、ミズナラは豊作、ブナは大凶作で、全体的には改善したが、ツキノワグマは過去最多だった昨年度より多いペースで出没している。秋は冬眠に備えて食欲が増す時期で、冬にかけて多くの餌を求め行動が活発になることから、県は注意を呼びかけている。

 県は県内のツキノワグマの生息域で堅果類豊凶調査を行い、9月9~11日に秩父市6地点、飯能市、小鹿野町、横瀬町各3地点を調査した。標準木として、胸高直径(地上約1・3メートルの高さの直径)がコナラとミズナラは20センチ以上、ブナは30センチ以上の樹木を選定し、選定した標準木の樹冠内の果実数を計測。果実数を基に樹種ごとの豊凶レベル(大豊作、豊作、並作、凶作、大凶作の5段階)を判定した。

 県みどり自然課によると、県内のツキノワグマの出没件数は本年度、9月末時点で95件で、過去最多だった昨年度の同時期の76件より増加している。今月18日には秩父市で猟友会の男性がクマに引っかかれて負傷した。クマによる人身被害は2024年8月以来で、今シーズン初めてだった。ツキノワグマにとって堅果類の実は秋から冬にかけての主要な栄養源。冬にかけて餌を求めるクマの人里への出没が増加する可能性があり、県は注意喚起を行っている。

 20日の定例会見で大野元裕知事は、果樹は落下したものも含めそのまま放置せず、伐採や収穫を行うとともに、草むらや、やぶの手入れを行い、クマが隠れる場所をなくすこと、生ごみは屋内で保管し、収集日当日に出すことなどを呼びかけた。「県民の身近な場所でクマに遭遇する可能性が高くなっている。本年度も予断を許さない状況で、クマに遭遇しないように気を付けてもらえれば」と話した。

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