車の両輪のような兄弟関係描く 「兄おとうと」鵜山仁と横田栄司
大正デモクラシーの中心的存在だった政治学者吉野作造。その弟信次は国のために働く優秀な官僚だった―。正反対な兄弟と、その妻たちが繰り広げる騒動を描く井上ひさし作「兄おとうと」が10月から上演される。演出の鵜山仁は「互いに相いれないけどなくてはならない、車の両輪のような兄弟の関係を面白おかしく見せたい」と話す。
井上が立ち上げた劇団こまつ座での上演。作造を演じるのは、こまつ座初参加の横田栄司だ。シェークスピア劇の経験も豊富な文学座のベテランだが「井上作品は初めて。新人のつもりで頑張ります」と背筋を伸ばす。
作造も信次も「田舎の苦しい生活から抜け出したい、世のため人のために尽くしたいという思いは同じ」と横田。思想信条の違いから激しく対立する描写が目立つが「その奥にある家族としての情が大事になるのかな」と役作りを展望した。
横田にとってなじみ深いシェークスピア劇との共通点は、膨大な量のせりふを「あの手この手でしゃべらなければいけない」ところだと語る。「どうやったら自分の言葉にできるか」頭を悩ませる日々だ。
鵜山は約40年にわたり、こまつ座の演出を手がけてきた。2010年に井上が死去して以来、時代を超えて「世の中と人間との関係を鮮やかに描く」井上作品のすごみを強く感じるようになったという。今作も「大正時代の物語なのに、すごく身近に感じる。予言者みたいだなと思います」。
舞台「兄おとうと」は10月11日~11月1日東京・紀伊国屋サザンシアターTAKASHIMAYA、11月3日大阪・おにクルで上演。以降の公演予定はこまつ座の公式サイトに順次掲載











