埼玉を参考に…山梨も救助ヘリを有料化へ 閉山期の富士山で遭難相次ぐ 飛行5分8千円の埼玉、導入後に遭難は過去最多に 関係者「無謀な登山の抑止につながっていない」
山梨県は今月、閉山期の富士山で遭難が相次ぐ問題を受け、県防災ヘリコプターの救助費を有料化すると発表した。2018年に有料化を導入した埼玉県は飛行5分当たり8千円としており、金額はこれを参考に検討し、来年9月からの運用を目指して条例案の作成を進める。埼玉県内も無謀な登山の抑止が趣旨だったが、関係者からは効果について疑問視する声も出ている。
■無謀な登山の抑止が趣旨…遭難高止まり
富士山の開山期間は例年7月1日~9月10日。それ以外の閉山期は気象状況が厳しく、救護所も閉鎖しているため遭難リスクが高まるが、登山者が後を絶たない。地元自治体から無謀な登山の抑止策を求める声が上がっていた。山梨県は静岡県と協議を重ね、条例で救助ヘリの有料化を導入した埼玉県の事例も参考に検討を進めていた。
埼玉県で有料化となった山は過去の県防災ヘリによる救助実績や登山、ロッククライミングの利用状況から、日本百名山の一つとして知られる両神山(標高1723メートル)、甲武信ケ岳(同2475メートル)、小鹿野二子山(同1166メートル)、雲取山(同2017メートル)、笠取山(同1953メートル)、日和田山(同305メートル)の6山。いずれも麓までを含めた山全体ではなく、山頂から埼玉県側の半径100メートル~5キロ以内を範囲としている。
県によると、有料化の対象となった救助は18年から今年9月15日までで44件となり、金額は341万4千円。飛行5分で5千円だった18年から23年度末までは32件で211万円、飛行5分で8千円となった24年度から今年9月15日までは12件で130万4千円。救助者が死亡し相続人が不在だったケースもあったが、大半が徴収されている。
一方で県警によると、山岳遭難事故は17年は63件70人、18年は51件60人、19年は50件59人だったが、コロナ禍で増加傾向になり、20年は58件71人、21年は82件91人、22年は87件97人、23年には94件107人で過去最多を更新した。24年は73件77人、25年も77件86人で高止まりしている。
秩父山岳連盟の清水武司会長(76)は「登山者は救助費を気にしていなく、山岳遭難の数も減っていない。無謀な登山の抑止にもつながっていないので、もう一度考え直す必要があるのではないか」と話している。










