県ほ場整備事業で不適切な執行 業者から県に4億7000万円の請求 春日部農林振興センターが所管
埼玉県は28日、地域機関の春日部農林振興センターが所管している県営ほ場整備事業「さいたま中央地区」の工事において、不適切な執行が確認されたとして、工事を受注した建設業者から約4・7億円の費用を請求されていると明らかにした。調査継続中で、処分などは行っていない。
県農村整備課によると、2023年春に工事受注者Aが下請け業者との間で、作業員を一定期間常時雇用する「常用契約」を開始し、その旨を同センターに報告した。県の公共工事は出来高を求める請負契約であるはずだが、公費負担を容認する形となった。
25年1~3月ごろには予算の裏付けのない追加工事を、次年度予算を見越して口頭で指示。追加工事は文書で指示するルールで、会計年度独立の原則にも抵触していた。整備用土の受け入れや黒土購入費用で基準に合致しない約1・1億円の過大な積算を行って公費を支出していた。
また、工事受注者Bが下請け業者と結んだ常用契約約1800万円を工事受注者Aに付け替えていた。受注者Bから「下請け代金を払うと赤字になる」と相談を受けたセンター側が受注者Aに付け替えを依頼し、受け入れられたという。
同センター農村整備部の複数職員が関わっていて、県の担当者は「本来は常用契約は駄目と伝えなければいけなかった。言葉になじみがなかったと言っているが、言われたときに聞かなければいけなかった。落ち度があるのは間違いない」と説明した。
25年6月に受注者Aから未払金があるとの相談を受け、内部調査を進めて発覚した。県は今後、事実関係を確認するとともに、外部の専門家で構成する第三者委員会を設置する。請求されている約4・7億円については、県建設工事紛争審査会のあっせん、調停または仲裁などによる手法を検討していくという。
同地区はさいたま市東部の見沼区、緑区、岩槻区にまたがる水田地域で、担い手への農地集積や生産性向上を目的に、大区画化などを進めて競争力強化を図る計画で、区画整理工は94・3ヘクタール。事業期間は20~29年度(予定)で、総事業費は約38億円。県の負担割合は27・5%だった。











