埼玉新聞

 

誰かの「養生」になる映画を 映像作家・ダンサーの吉開菜央監督のドキュメンタリー「まさゆめ」順次公開

  •  第76回ベルリン国際映画祭フォーラム部門の公式上映後、観客の質問に答える吉開菜央監督(中央)=2月、ベルリン(共同)

     第76回ベルリン国際映画祭フォーラム部門の公式上映後、観客の質問に答える吉開菜央監督(中央)=2月、ベルリン(共同)

  •  第76回ベルリン国際映画祭を訪れた吉開菜央監督=2月、ベルリン(共同)

     第76回ベルリン国際映画祭を訪れた吉開菜央監督=2月、ベルリン(共同)

  •  映画「まさゆめ」より☆(○の中に小文字のC)WHITE LEOTARDS

     映画「まさゆめ」より☆(○の中に小文字のC)WHITE LEOTARDS

  •  映画「まさゆめ」より☆(○の中に小文字のC)WHITE LEOTARDS

     映画「まさゆめ」より☆(○の中に小文字のC)WHITE LEOTARDS

  •  映画「まさゆめ」の吉開菜央監督

     映画「まさゆめ」の吉開菜央監督

  •  第76回ベルリン国際映画祭フォーラム部門の公式上映後、観客の質問に答える吉開菜央監督(中央)=2月、ベルリン(共同)
  •  第76回ベルリン国際映画祭を訪れた吉開菜央監督=2月、ベルリン(共同)
  •  映画「まさゆめ」より☆(○の中に小文字のC)WHITE LEOTARDS
  •  映画「まさゆめ」より☆(○の中に小文字のC)WHITE LEOTARDS
  •  映画「まさゆめ」の吉開菜央監督

 映像作家・ダンサーの吉開菜央監督が、五感を研ぎ澄ませ、自らの心身の不調や母の死と向き合う日々を撮ったドキュメンタリー映画「まさゆめ」が順次公開中だ。吉開監督は「自分を大事にすると、自然や他者も大事に思えてくる。この作品が、映画館で誰かの『養生』につながればうれしい」と語る。

 本作が映し出すのは極めて個人的な体験。だが見る者の内側に優しく、深く染み込むような不思議な温かさをもたらす作品だ。

 小田香監督作「Underground アンダーグラウンド」への出演や、米津玄師の楽曲「Lemon」のミュージックビデオでのダンスでも知られる吉開監督。

 34歳の頃、心と体のバランスを崩し、さらに実母を亡くした。「生きるって何だろう」。そう悩み、禅寺へ行って修行したことが製作のきっかけになったという。

 「無心で座禅を組んだり、お経を読んだりしましたが、とにかく毎朝、皆の腸という腸が『ぐう』と鳴るんです。人間って1本の管なんだなあ、なんて思いました」。禅寺で気が付いたのは「食べる」と生きることの強いつながりだった。

 禅寺の日々や、日常に戻ってから毎朝作った白米とみそ汁の朝ご飯の風景に加え、ダンス、アニメーション、ホームビデオなど多様な映像を組み合わせ、自身の物語を“再構築”して紡いだ。

 少しずつ上向きになっていく体と心を表現。自分のおなかが鳴る音も録音して使用している。「これまでも自分の体で感じたことを作品にアウトプットしてきましたが、この映画で、より自信が持てた」と笑う。

 今年2月、第76回ベルリン国際映画祭フォーラム部門に選ばれ、公式上映では映画好きのベルリンっ子から喝采を浴びた。スペインや韓国など各国の映画祭でも上映され、観客の共感を呼んだ。

 「大切な人の死や、メンタルヘルス(心の健康)の問題に、言語や国は関係ないのだと感じた。きっと、この映画の中には多くの人にとっての『思い当たる節』があったのだと思います」

 Bunkamuraル・シネマ渋谷宮下などで公開中。詳細は公式サイトで。

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