埼玉新聞

 

蓮田いじめ重大事態 報告書、学校や市教委「対応は非常に不適切」繰り返す 学校による謝罪の場「生徒を傷つけるための手段」

  • 24日に蓮田市のホームページで公表されたいじめ重大事態調査報告書と再発防止策

    24日に蓮田市のホームページで公表されたいじめ重大事態調査報告書と再発防止策

  • 【地図】蓮田市

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 蓮田市の市立中学校で2020年、女子生徒に対するいじめ重大事態に関する報告書について、市は24日、ホームページ(HP)で公表した。報告書は弁護士、公認心理師ら4人による専門委員会が作成した。報告書はいじめ重大事態の認定が遅れ、生徒への配慮が欠けた点を挙げ、学校と市教育委員会側の「対応は非常に不適切」と指摘している。
 
 ■ようやく公表

 報告書は、女子生徒が中学入学後、20年11月ごろからクラスや部活動で、悪口を言われ、黒板に落書きされるなどいじめを受けたと認定した。

 報告書や取材によると、女子生徒は12月中旬ごろから登校できなくなり、翌21年1月、医療機関でいじめを原因とする起立性調節障害の診断を受けた。頭痛や吐き気、食欲不振が続き、症状は悪化。不安障害の診断も受けた。

 女子生徒は5月下旬からフリースクールに通学。保護者が学校や市教委に改善を求めた。23年3月に卒業はしたものの、いじめは解決せず。生徒は当時、埼玉新聞の取材に「もう一度中学生をやり直したい」と心境を述べた。

 弁護士ら第三者による市いじめ問題専門委員会は、女子生徒が卒業した後、同23年11月~25年3月に開催。提出された報告書を巡り、保護者と協議が行われ、ようやく公表にこぎ着けた。

 ■市「貧弱な体制」

 報告書によると、学校が21年1月、いじめ重大事態として適切な対応を取るべきだったと指摘。一連の対応が遅れた原因に触れた。

 学校は21年6月、女子生徒と関係した生徒を集め、互いに謝罪するよう「謝罪の場」を設けた。報告書はこの対応を「生徒を傷つけるための手段」と批判。「生徒が置かれた環境への配慮を欠き非常に不適切」とした。

 市教委は、学校からの報告や保護者からの苦情を受けていたにもかかわらず、関係教員への聞き取りが遅れた。

 いじめ重大事態を認定した期日については当初、保護者らに22年3月28日と報告。しかし、教育長への聴取から、実際に市教委が重大事態として取り扱い始めたのは同8月26日だったことが判明した。報告書は、いじめ重大事態の認定が遅れ調査が十分に行えなかったとし「対応は非常に不適切」と評価した。

 市や市教委の体制についても問題視した。職員がパソコンを持たず聴取に出席。委員が自らパソコンでメモを記録した例を挙げた。「他市での調査と比較しても非常に貧弱な体制。重大事態の調査に備えて適切な方策を」と改善を求めた。

 女子生徒や保護者は約5年9カ月にわたり、学校や市教委と協議を続けてきた。報告書を受け、保護者は埼玉新聞の取材に「わが子の人生を壊した当時の関係職員、市教委の責任を追及し処分を求めたい」と思いをぶつけた。

 市はHP上に再発防止策を掲載。いじめ防止に向け校内組織の在り方や指導方法をまとめた。報告書を受け、市幹部が26日、定例会見で経緯や対応を説明するという。

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