埼玉の特殊詐欺被害、上半期で83億円 一部被害は過去最悪のペース SNS投資詐欺の急増が要因か ネット完結の手口に県警が注意呼びかけ
県警が今年1~6月の上半期に認知した特殊詐欺被害(暫定値)の額は、前年同期比から約7割増(34億1175万円増)の83億1357万円だったことが県警のまとめで分かった。うち交流サイト(SNS)を通じた詐欺は30億6318万円増の45億4019万円で、SNSを除く特殊詐欺は統計史上最悪の37億7338万円だった。被害件数は1085件で6年連続で増加した。ネット上だけで送金が完結してしまう「非面接型」の手口が増加しており、県警は詐欺被害防止を呼びかけている。
県警によると、特殊詐欺のうち、警察官をかたる詐欺が20件増の196件で、被害金額は2億5253万円増の18億8353万円と全体の約2割を占める。警察官をかたる詐欺の被害は20~30代が26・5%と若年層にも拡大している。196件のうち、31・6%の62件が国際電話による被害だったが、昨年の63・4%に比べると大幅に減少。警察庁が3月から国際電話を遮断したり、警告表示するアプリ導入も減少に影響したと分析している。
SNSを通じた投資詐欺は前年同期と比べて約2・7倍の241件と急増。金額も27億1822万円増の37億4548万円だった。SNS型の詐欺は1件当たりの被害額が大きくなる傾向にあり、特殊詐欺全体では1件当たり766万円だったのに対し、SNS型投資詐欺は同1554万円。原因にあるのは被害の長期化とみられ、平均で71日間、中には872日間だまされていた人もいた。偽の投資アプリに誘導され、利益が出ているかのように見せかけているため、長期間だまされていることに気付かないという。
金融機関やコンビニエンスストアなどでの水際防止は前年同期比71件減の889件。防止金額は2億6122万円増の12億6847万円だった。SNSやネットバンキングなどの「非面接型」が増加し、金融機関職員や親族も気付くのが難しくなったことが防止減少の要因とされる。
県警は非面接型の詐欺の増加に対し、警察庁のアプリを推奨するキャンペーンのほか、金融機関や他県警と連携した取り組みを行っている。
■特殊詐欺被害、アプリ利用で防止を
警察庁が推奨する詐欺防止アプリを広めようと、埼玉県警組織犯罪総合対策本部は10日、JR東日本と協力し、さいたま市大宮区のJR大宮駅でキャンペーンを行った。通行人に対してアプリの利用を呼びかけ、その場で警察官やJR職員がアプリの役割を説明し、インストールを補助した。
アプリは「詐欺対策byNTTタウンページ」「詐欺バスター Lite」の2種類。国際電話番号の発着信を遮断、警告するほか、犯行に利用された番号も遮断、警告する機能がある。キャンペーンではイベントブースを設け、アプリをインストールして詐欺電話から身を守るよう呼びかけた。
アプリをインストールした浦和区の女性(60)は「知らない番号には出ないようにし、留守番電話に設定している」と対策しているが「うっかり出てしまうこともあるのでアプリで防げるのならうれしい」と語った。
JRでは8月に浦和駅、上尾駅、南越谷駅でもキャンペーンを行う予定。大宮駅の緑川清士駅長は「安心して安全に生活できるよう、警察と一緒になって取り組んでいきたい」、県警地域安全対策推進室の太田恒室長は「高齢者だけでなく、若い世代にもアプリの利用を呼びかけていきたい」と話していた。











