浦和高校に人工芝グラウンドを…寄付6600万円達成も物価高で計画停滞 目標1億8999万円に膨らむ OBや地元住民も賛同、あと7189万円
生徒たちの安全な授業や部活動の実現と、地域交流の活性化を目的に、さいたま市浦和区の県立浦和高校(生徒数1080人)で2019年から取り組む寄付型の「浦高グラウンド人工芝化プロジェクト」が、物価上昇の影響を受け停滞している。当初定めた寄付金の目標額6600万円は24年度に達成。しかし工事費や維持管理費が年々かさみ、将来的に必要な経費を再計算すると、新たな目標額が1億8999万円に。当初目標額の約3倍にまで膨らんだ。教員らは「企業版ふるさと納税」の寄付を募るなど対応策を拡大し、プロジェクト達成に向けて日々奮闘している。
今回、目指している人工芝化の範囲は、校内「上グラウンド」内の約9280平方メートル(サッカーコート1面分以上)。体育の授業や行事で使用するほか、放課後はサッカー、ラグビー、陸上部の共用練習場となる同校のメイングラウンドだ。
以前から人工芝化の必要性を校長にアピールしてきた同校サッカー部の本田哲也監督(45)は「公立、私立校に限らずグラウンドの人工芝化は進み、導入後に部活動で好成績を収めている高校も多い。環境面で後れを取ると、これから先どんどん後塵(こうじん)を拝してしまう危機感もある」と思いを語る。
■OBや住民も賛同
浦和高校は1895(明治28)年創立の男子校。県内屈指の進学校であると同時に、年間通じて体育行事が盛ん。また多くの部活動が全国大会の出場経験を持つ。本田監督ら指導者は、本格的な土壌改良が行われていない水はけの悪いグラウンドで、生徒が砂ぼこりや泥にまみれながら駆け回る姿を見てきた。「人工芝化は生徒たちが望んでいるものではなく、安全性向上や熱中症対策も含め、われわれ大人が成し遂げなければならない使命」と話す。
プロジェクトは、同校OBらで組織する「浦高スポーツ環境等整備応援プロジェクト」(橋本義昭会長)の協力もあり広報活動を丹念に続けた結果、OBのほかにグラウンド解放時に利用している地元のスポーツ少年団関係者、健康増進の場を望む地域住民らも賛同。県立学校の教育環境整備充実プランを支援するふるさと納税制度「県教育環境整備基金」を活用し、6月末時点で団体・個人計1450件、7970万円の寄付金が集まった。
■設備の充実を期待
近年の物価上昇による工事費の大幅な増加と、当初計画では見込まれていなかった人工芝のメンテナンス費などがかさみ、実質不足額は日本スポーツ振興センターのスポーツ振興くじから受ける予定の助成金3840万円を除き、あと約7189万円。
杉田和明校長(58)は、私立高校の実質無償化が全国で本格的に進み、各公立高校の定員割れや統廃合が加速している現状も懸念し、「教員やОBの方の多くは、『私学に負けないような設備を』という思いが強くある。浦和高校と縁のある方々と力を合わせて、何とか盛り上げていきたい」と力強く語った。
同校では現在、県教育環境整備基金に加え、企業が地方創生に関わる自治体の事業に寄付をする「企業版ふるさと納税」も受け付けている。
同プロジェクトに関する問い合わせは、県立浦和高校人工芝化プロジェクト委員会(電話048・886・3000)へ。











