【Tokyo とことこ散歩】庭園での出会いにほっこり 小石川後楽園、和菓子店も
都心にありながら、しっとりした風情漂う東京都文京区の小石川後楽園と、その周辺を散策した。
小石川後楽園は江戸期に造られた水戸徳川家の庭園で、水戸黄門で知られる光圀の代に完成したという。西門から入ると、街の音がスッと遠のき、緑豊かな景色が広がった。借景のように見える東京ドームの屋根と曇り空の境がぼやけて不思議だった。
こけむした石や渓流が角度によって表情を変える。蓮池に咲き始めた花を見つけてうれしくなった。石畳を進むと、琵琶湖に見立てて造られたという池にカメラを向ける人たちがいた。何を撮っているのかと眺めていたら「こっち、こっち」と声をかけられた。彼らと並んで目を凝らすと、岩上にカワセミが。連日ここを訪れる野鳥愛好家たちだったようだ。
カワセミはひなが生まれたばかりで、時々餌を運んでいるらしい。愛らしい姿を捉えたおのおのの自信作を見せてくれた。別れ際「またね」と言われ、ほっこりした。
風流なひとときの余韻に浸ろうと、東京ドーム天然温泉「スパ ラクーア」へ。詩歌などを投稿・閲覧できるアプリ「コトアム」とコラボした短歌の空間展示が開催中で、館内に入ると、透き通った布に短歌がプリントされ、頭上で揺れていた。大切な人への思いが歌人らのみずみずしい言葉でつづられている。琥珀色の露天風呂を堪能した後、ぼーっと眺めていると時を忘れた。
帰りは首都高速下の神田川沿いを歩き、JR飯田橋駅方面へ。「御菓子司 瑞月院」の看板に引かれ、和菓子店に立ち寄った。出迎えてくれた代表の大日向道子さんが開発からこだわったという肝いりの大福を買った。
なぜ大福を看板商品にしたのか尋ねると、「だって大福はみんなが好きでしょ」ときっぱり。力強い一言に妙に納得し、買ったばかりの大福を近くのベンチで思いっきりほおばった。
【ちなミニ】瑞月院の東京塩豆大福「火乃塩」には東京・青ケ島の塩が使われている。
















