男子高校生が死亡…窓から身を乗り出し、そのまま車が横転 深夜の高校グラウンドで 生徒73人が無断で運転したと判明、遺族が提訴を検討 横転した車、以前エンジンがかからず異常事態も…「把握していないのは非常に疑わしい」
さいたま市西区の私立埼玉栄高校のグラウンドで同校の生徒らが整備用の軽乗用車を横転させて男子生徒が死亡した事故の第三者委員会の調査報告書を受け、男子生徒の遺族代理人が17日、同市内で記者会見を開き、「(事故は)偶発的なものではなく、(学校側の)長期的な管理不全の結果」と批判した。学校側に対して損害賠償などを視野に民事提訴も検討するとの考えを示した。
第三者委の報告書では、事故が起きる2年前の2022年11月ごろから約2年間にわたって、延べ73人の生徒が整備車両を無断で運転していたことが判明した。一方で、教職員はいずれも事実を把握できていなかったとしている。
遺族代理人の牧野裕貴弁護士は、事故があった車両には事故前にも車体の破損やエンジンが作動しないなどの異常事態があったとして、「把握していなかったという点は非常に疑わしい。『知らなかった』ではなく、知る仕組みを持たなかった学校側の責任は大きい」と述べた。
また、車両を含めた物の安全や点検管理の具体的指示統制が欠如していることや、校内規程が守られているか否かを監査する仕組みがなかったことなどに触れ、「運用不全を組織的に検知する自浄作用もなかった。法人全体で多くの生徒を擁する組織として問題だ」とした。
報告書では、遺族への対応について不相応な点はなかったとされている。しかし牧野弁護士は、事故後も当該部活動顧問らの処分がないことや遺族に対するケアも十分ではないと訴え、不信感をあらわにした。「組織の管理不全が明らかになった以上、学校側が会見などの場で謝罪する責任がある」と指摘した。
遺族は報告書を受け、「安全管理と呼べるものはなかったに等しいと感じている。このようなことが二度と起きない体制を取ってほしい」とコメントを出した。
同校を運営する佐藤栄学園(さいたま市大宮区)は17日、報道側の会見要請に対して、県警の捜査が継続している現状を踏まえ、「刑事手続きに影響を与える恐れがあり、差し控えざるを得ない」として、実施しないと回答した。
■どんな事故だった 助手席側を下に横転、後部座席の2人が加勢か(以下2025年11月4日配信、書類送検前の記事)
さいたま市西区西遊馬の埼玉栄高校のグラウンドで2024年11月16日夜、同校の生徒らがグラウンド整備用の軽乗用車を運転し、横転させて助手席の男子生徒=当時(17)=が死亡した事故で、県警は近く、運転していた男子生徒(17)を自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の疑いで、さいたま地検に書類送検する方針を固めたことが捜査関係者への取材で分かった。
捜査関係者によると、車両管理に不備があったとみられ、埼玉栄高校を運営する学校法人佐藤栄学園側を業務上過失致死の疑いで捜査している。
事故は昨年11月16日午後11時半ごろに発生。書類送検された男子生徒が運転する軽乗用車がグラウンド脇にあるのり面に乗り上げ、助手席側を下に横転した。助手席と後部座席に計3人の男子生徒が同乗しており、死亡した男子生徒が助手席の窓から身を乗り出していたため、車体と地面に体を挟まれたとみられる。男子生徒は頭を強く打って死亡した。後部座席の男子生徒1人も軽傷を負った。
捜査関係者によると、県警は運転していた男子生徒を過失致死傷容疑で書類送検するとともに、遺族側からの告訴に基づき傷害致死の容疑で書類送付する。後部座席に同乗していた男子生徒2人を運転していた生徒の行為に加勢したとして、現場助勢容疑で書類送付する方針という。










