埼玉新聞

 

発がん性…浄水場で“臭素酸”濃度上昇 基準値を超えて検出、水が送られるエリアは28市町 浄水の過程で臭素酸は入らず、川の水に混入していたか…健康への影響、考えられる原因は

  • 【ちなみ】水道・蛇口=生活、暮らし、水イメージ

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  • 【地図】さいたま市桜区

    さいたま市桜区の位置

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 埼玉県は17日、県営大久保浄水場(さいたま市桜区)の浄水で、臭素酸が水質基準値(1リットル当たり0・01ミリグラム)を超える濃度で検出したと発表した。浄水の過程で臭素酸が混入する可能性がないことから、原水(荒川の河川水)に混入したと考えられるが、原因は分かっていない。

 県水道管理課によると、さいたま市が16日に水質検査をしたところ、臭素酸が検出。報告を受けた県が同日、大久保浄水場で測定したところ、臭素酸が原水で1リットル当たり0・008ミリグラム、中央系浄水で1リットル当たり最大0・017ミリグラム、西部系浄水で1リットル当たり0・019ミリグラムと、水質基準値を超えて検出された。

 臭素酸は発がん性があるとされているが、基準値は長期的に飲用した際の健康影響を評価したもので、直ちに健康に影響を与えるものではないという。大久保浄水場からは、さいたま市(岩槻区を除く)、川口市、川越市など28市町へ送水されている。

 県では、大久保浄水場の送水エリアを縮小して、臭素酸が検出されていない他の県営浄水場から送水する対応を取っている。同課担当者は「工場の排水や不法投棄の可能性も考えられる。原因究明へ調査を進める」と話している。

 さいたま市水質管理課によると、同市では県からの受水量を抑え、自己水源である地下水を増量する対応を取っている。

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