埼玉新聞

 

ショック…失恋した会社員男、マンションを爆発させ懲役9年 弁護士「被害者3人と示談し、寛大な判決を」 裁判長「軽いと言わざるを得ない」、求刑の懲役6年を上回った理由

  • 爆発のあった現場=7月18日夜、川口市

    爆発のあった現場=2024年7月18日夜、川口市

  • 爆発の発生したマンションで、現場検証が行われた=19日午前9時半ごろ、川口市並木2丁目

    爆発の発生したマンションで、現場検証が行われた=2024年7月19日午前9時半ごろ、川口市並木2丁目

  • 爆発のあったマンションでは、現場検証が行われた=19日午前9時半ごろ、川口市並木2丁目

    爆発のあったマンションでは、現場検証が行われた=2024年7月19日午前9時半ごろ、川口市並木2丁目

  • 爆発のあった現場=7月18日夜、川口市
  • 爆発の発生したマンションで、現場検証が行われた=19日午前9時半ごろ、川口市並木2丁目
  • 爆発のあったマンションでは、現場検証が行われた=19日午前9時半ごろ、川口市並木2丁目

 川口市のマンションで昨年7月、自室内にガスを充満させ、ライターで引火して爆発させたなどとして、激発物破裂などの罪に問われた、中国籍の会社員ウェン・チュエン被告(45)=川口市=の裁判員裁判の判決公判が15日、さいたま地裁で開かれ、江見健一裁判長は、懲役6年の求刑を上回る懲役9年を言い渡した。

 検察側と弁護側はいずれも、被告が事件当時心神耗弱状態だったと主張していたが、江見裁判長は被告の事件前後の言動から「周囲に生ずる被害を想起することができなかったとは考えられない」と完全責任能力があると認定。「検察官の求刑は心神耗弱を前提としており、軽いと言わざるを得ない」として求刑を上回る判断をした。

 弁護側によると、被害者3人は被告と示談し、寛大な判決を求めていた。判決では、被告が失恋のショックで自殺を企てたとして、「手段としてガス爆発という方法を選択した点で身勝手というほかない」と非難。「周辺住民の不安感は大きく、地域社会に与えた影響も大きい」とした。

 判決によると、被告は昨年7月18日、川口市内のマンションの一室で、室内にガスを充満させてライターで点火し爆発させ、マンションの窓ガラスなど(損害見積額計約2億8千万円)を損壊し、マンション居住者ら3人に1週間前後の傷害を負わせるなどした。
 

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