埼玉新聞

 

「少子化の進行の度合が早過ぎる」 小学校を再編、6校を1校に統合 埼玉・吉見 新たな校舎を中学校の敷地内に建設 統合される旧校舎の活用は

  • 【地図】吉見町(背景薄緑)

    吉見町の位置

  • 【地図】吉見町(背景薄緑)

 吉見町は小学校の統合再編計画で、町内6校を1校に統合する方針を決定した。3日の町議会12月定例会一般質問の福井学議員の質問で明らかにした。当初から1校に統合する計画だったが、4月の町長選で2校に統合を訴える神田隆町長が当選。庁内で検討を進めた結果、計画を一部見直した上で、1校に統合することになった。

 少子化が進む同町では、町内に6校ある小学校を1校に統合し、新たな校舎を吉見中学校の敷地内に建て、2028年4月に開校させる計画を進めていた。今年4月の町長選で争点にもなり、2校に統合を訴える神田町長が当選。その後、いったん立ち止まって計画を見直し。町長や教育委員会などで協議を進め、10月17日の教育総合会議で新たな方針を決定した。

 岡崎康友教育長の答弁によると、従来の計画通り小学校6校を1校に統合し、新しい校舎を吉見中の敷地内に建設。その一方で、吉見中の校舎が老朽化していることから、小中学校の校舎の共同利用を見据えた整備や、施設整備費の縮減などが新たに加えられた。計画の見直しに一定の期間が必要なため、28年4月の開校については「延期せざるを得ない」と答えた。

 小中一貫教育の実現に向けた検討の推進、統合される小学校の旧校舎を社会教育や子育て支援の拠点として活用する考え。神田町長は答弁で「統合小学校の建設はゴールではなく、新しい教育へのスタートにしなくてはならない」と話した。

 また、神田町長は取材に対し、2校ではなく1校での統合方針を決めたことに対し「少子化の進行の度合が早過ぎる。将来的に2校を継続していくことは難しい」と話す。教育委員らと協議を進め、計画に新たな修正点も加え、この方針に着地したという。

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